アナログ

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ハードウエア

アナログからデジタルへ:A/D変換器の世界

私たちの身の回りには、絶え間なく変化する情報があふれています。例えば、耳に届く音の大きさや高さ、目に映る光の強さや色、肌で感じる温度の暖かさや冷たさなど、これらはすべて連続的に変化する情報であり、連続量と呼ばれています。一方、コンピューターやスマートフォンなどの電子機器は、0と1の二つの値で表される情報しか扱うことができません。この0と1の値で表現される情報を離散量といいます。連続量と離散量は性質が全く異なるため、そのままでは電子機器で処理することができません。 そこで活躍するのが、変換器です。変換器は、連続的に変化する情報を0と1の離散的な情報に変換する役割を担っています。例えば、マイクで拾った音は空気の振動という連続量ですが、変換器を通すことで0と1の数値列に変換され、電子機器で録音や編集が可能になります。カメラも同様で、レンズを通ってきた光の強さや色といった連続量は、変換器によってデジタルデータに変換され、画像として保存・表示されます。温度計も、センサーが感知した温度という連続量を、変換器によって数値データに変換し、画面に表示しています。 このように、変換器は連続量の世界と離散量の世界を繋ぐ橋渡しとして、私たちの生活を支える様々な電子機器の中で重要な役割を果たしています。変換器のおかげで、私たちは様々な情報を電子機器で処理し、保存し、活用することができるのです。まるで、異なる言葉を話す人々の間で通訳をする翻訳機のように、変換器は連続量と離散量という異なる種類の情報を相互に変換し、円滑な情報伝達を可能にしています。
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ソフトモデム:価格と性能のバランス

音を伝える電話回線と、0と1の信号でやり取りする計算機。この異なる言葉を翻訳するのが、電話回線接続器の役割です。昔ながらの電話回線接続器は、この翻訳作業を専用の部品で行っていました。この部品こそが、音を電気信号に変えたり、電気信号を音に変えたりする装置の心臓部です。 一方、最近の電話回線接続器の中には、この心臓部を計算機の頭脳である演算処理装置に肩代わりさせるものがあります。これが、今回お話する「柔らかな電話回線接続器」です。「柔らかな電話回線接続器」は、計算機の指示を与える手順書で翻訳作業を行います。専用の部品を使わないので、部品代がかからず、結果として電話回線接続器全体を安く作ることができます。これが、「柔らかな電話回線接続器」の大きな利点です。 しかし、便利な反面、弱点もあります。翻訳作業を演算処理装置に頼るため、演算処理装置は普段の計算に加えて翻訳作業もしなければなりません。演算処理装置の負担が大きくなり、計算機の動きが遅くなることがあります。特に、複雑な計算をしている時や、たくさんの作業を同時に行っている時は、この遅さが目立つことがあります。 つまり、「柔らかな電話回線接続器」は、安価で手軽である一方、計算機の動きを遅くする可能性があるという両面を持っているのです。自分に合った電話回線接続器を選ぶためには、それぞれの長所と短所を理解することが大切です。
デバイス

アナログ携帯電話:懐かしい思い出

かつて、一人ひとりに連絡を取る手段として、なくてはならない存在だったアナログ式の携帯電話。四角く、アンテナが伸びている形が特徴的で、平成初期から中期にかけて、多くの人々に愛用されていました。街中や電車内など、至る所でこの携帯電話を使う人々の姿が見られ、肩に担ぐようにして話す姿は、当時の象徴的な光景の一つと言えるでしょう。今や、小型で多機能なスマートフォンが主流となり、アナログ式の携帯電話を見ることはほとんどなくなりましたが、今回は、そんなアナログ式の携帯電話の歴史や特徴、そして終わりを迎えた理由について振り返ってみましょう。 アナログ式の携帯電話が登場した当初は、高価で大きいため、限られた人しか利用できませんでした。しかし、技術の進歩とともに小型化、低価格化が進み、一般の人々にも手が届くようになりました。これにより、人々のコミュニケーションのあり方が大きく変わりました。いつでもどこでも気軽に連絡を取れるようになったことで、人々の生活はより便利で豊かなものになったと言えるでしょう。また、アナログ式携帯電話特有の着信メロディー作成機能も人気を集め、自分好みのメロディーを設定して楽しむ人々が数多くいました。自分で作曲したり、流行の歌をメロディーにしたりと、個性を表現する手段の一つとしても楽しまれていました。 しかし、時代の流れとともに、アナログ式携帯電話は終わりを迎えることになります。デジタル技術の進歩により、より高音質で多機能なデジタル式携帯電話が登場し、人々はそちらへと移行していきました。また、インターネットの普及も大きな要因の一つです。インターネットを利用できる携帯電話が登場したことで、人々は通話だけでなく、様々な情報にアクセスできるようになりました。アナログ式携帯電話は、これらの時代の変化に対応することができず、次第に姿を消していきました。 アナログ式携帯電話は、単なる通信機器ではなく、時代の象徴でもありました。その存在は、人々のコミュニケーションのあり方を変え、平成という時代を彩った重要な要素の一つと言えるでしょう。今ではスマートフォンが主流となり、その姿を見ることは少なくなりましたが、アナログ式携帯電話が果たした役割は、決して忘れられることはないでしょう。
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モデム:インターネットへの架け橋

電子計算機は、0と1の組み合わせという、飛び飛びの値で表される信号を使って情報を処理しています。このような信号をデジタル信号と言います。一方、電話線のような昔ながらの通信線は、滑らかに変化する波の形で情報を送ります。これはアナログ信号と呼ばれています。電子計算機と通信線を繋ぐためには、この異なる種類の信号を互いに変換する必要があります。この変換を行う装置が、変調復調装置、略してモデムです。 モデムは、電子計算機のデジタル信号を、電話線で送れるアナログ信号に変換する機能を持っています。この変換を「変調」と言います。変調では、デジタル信号の0と1に対応する異なる波の形を作り、アナログ信号に変換します。例えば、0を低い音、1を高い音に対応させる、といった方法が考えられます。 反対に、電話線から送られてきたアナログ信号を、電子計算機が理解できるデジタル信号に戻す機能も持っています。これを「復調」と言います。復調では、アナログ信号の波の形を読み取り、0か1かを判別してデジタル信号に戻します。例えば、低い音が来たら0、高い音が来たら1、と判断するわけです。 モデムという言葉は、この「変調」と「復調」の機能を両方持っていることから、「変調器」と「復調器」を組み合わせた名前となっています。モデムのおかげで、電子計算機は電話線を通して情報を送受信し、インターネットに接続することができるのです。まさに、デジタルの世界とアナログの世界を繋ぐ重要な役割を果たしていると言えるでしょう。