パソコンの休止状態を詳しく解説
ITを学びたい
先生、『休止状態』って、パソコンを閉じるときの『スリープ』とどう違うんですか?どちらも作業中の状態を保存して、またすぐに作業を再開できるんですよね?
IT専門家
いい質問だね。どちらも作業を保存してすぐに再開できる点は同じだけど、保存する場所が違うんだ。スリープは作業内容をメモリーに保存する。メモリーは電源を切るとデータが消えてしまうので、コンセントを抜いたりバッテリーがなくなると作業内容は消えてしまうんだよ。
ITを学びたい
じゃあ、休止状態はどこに保存するんですか?
IT専門家
休止状態はハードディスクに保存するんだ。ハードディスクは電源を切ってもデータが消えないから、コンセントを抜いてもバッテリーが切れても大丈夫。その代わり、ハードディスクからメモリーに読み込むので、スリープより起動に少し時間がかかるんだよ。
休止状態とは。
情報処理に関する言葉で、「休止状態」というものがあります。これは、パソコンの作業状態を記憶装置に保存して電源を切ることで、次に電源を入れた時に素早く作業を再開できるようにする機能です。
休止状態とは
休止状態とは、作業中のコンピュータの状態を記憶し、電源を完全に落とす機能です。記憶装置に作業内容を保存することで、再び電源を入れた時に、保存した状態からすぐに作業を再開できます。まるで時間を止めて、再びそこから開始するような感覚です。
よく似た機能に、スリープ状態というものがあります。休止状態とスリープ状態の大きな違いは、コンピュータの電源の状態です。スリープ状態は、少ない電力で動作を続けながら、作業内容を一時的な記憶場所に保存します。一方、休止状態は、作業内容を記憶装置に保存した後、コンピュータの電源を完全に切ります。そのため、休止状態の方が、電力の消費を抑える効果が高いと言えます。
休止状態を使うメリットは、節電効果だけではありません。例えば、長い時間コンピュータを使わない時や、持ち運ぶ際に電池の残量を気にしたくない時に役立ちます。また、突然の停電などでコンピュータの電源が切れてしまった場合でも、作業内容が失われる心配がありません。これは、休止状態が作業内容を記憶装置に保存しているためです。
休止状態は、パソコンを安全に停止し、かつ迅速に作業を再開したい時に便利な機能と言えるでしょう。特に、作業中の内容が多く、コンピュータの起動に時間がかかる場合や、出先で作業をする機会が多い方に、おすすめの機能です。
項目 | 休止状態 | スリープ状態 |
---|---|---|
電源 | オフ | 低電力動作 |
作業内容の保存先 | 記憶装置 | 一時記憶場所 |
節電効果 | 高 | 低 |
メリット | 節電、作業内容の保護、迅速な再開 | 作業の中断と再開が速い |
デメリット | 再開に少し時間がかかる | 予期せぬ電源断で作業内容が失われる可能性 |
休止状態の仕組み
一時停止とは異なり、休止状態はパソコンの電源を完全に落とすことで省電力を実現する方法です。それでは、休止状態の仕組みについて詳しく見ていきましょう。
パソコンを休止状態にすると、作業中の文書や表計算データ、閲覧中のホームページ、開いている様々な応用など、作業環境全てが記憶装置に保存されます。記憶装置とは、情報を長期的に保存できるハードディスクやSSDといった部品のことです。これらの装置に、メモリの内容が特別なファイル(hiberfil.sys)に書き込まれます。このファイルのおかげで、パソコンの電源がオフの状態でも、作業内容は失われません。
パソコンを再び起動すると、このhiberfil.sysファイルに保存された情報がメモリに読み込まれます。メモリとは、情報を一時的に記憶しておくための部品で、パソコンの動作速度に大きく影響します。休止状態から復帰する際は、記憶装置からメモリに情報が転送されるため、スリープ状態からの復帰に比べて時間がかかります。スリープ状態は、メモリに情報を保持したまま、消費電力を抑えた状態のことです。休止状態は、スリープ状態よりも復帰に時間がかかりますが、作業内容を全て保存できるという大きな利点があります。また、電源が完全にオフになるため、スリープ状態よりもさらに節電効果が高いです。
hiberfil.sysファイルの大きさは、パソコンに搭載されているメモリの容量とほぼ同じです。そのため、大容量のメモリを搭載したパソコンでは、記憶装置の空き容量を圧迫する可能性があります。記憶装置の空き容量が不足すると、パソコンの動作が遅くなる原因になりますので、注意が必要です。休止状態を利用する際は、記憶装置の空き容量も確認するようにしましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
休止状態 | 作業環境全てを記憶装置(HDD/SSD)に保存し、電源を完全に落とす省電力状態。 |
仕組み | メモリの内容をhiberfil.sysファイルに書き込み、記憶装置に保存。復帰時は、このファイルからメモリに情報を読み込む。 |
復帰時間 | スリープ状態より時間がかかる(記憶装置からの読み込みのため)。 |
利点 | 作業内容を全て保存できる。スリープ状態より節電効果が高い。 |
欠点 | hiberfil.sysファイルがメモリ容量と同等サイズのため、記憶装置の容量を圧迫する可能性がある。 |
注意点 | 記憶装置の空き容量を確認する。 |
休止状態のメリット
パソコンを長時間使わない時、休止状態はとても役に立ちます。休止状態には、大きく分けて三つの利点があります。まず一つ目は、電力の節約です。パソコンを休ませる方法はいくつかありますが、例えばスリープ状態の場合、パソコン本体にはまだ少し電気が流れています。一方、休止状態の場合は、まるで電源を切ったかのように、電気がほとんど流れなくなります。そのため、電池の持ちがぐんとよくなります。特に、持ち運びできるパソコンを使っている方にとっては、外出先で電池切れの心配をせずに済むので、とてもありがたい機能です。二つ目の利点は、作業内容の保護です。例えば、大事な書類を作成中に、急に停電してしまったら困りますよね。休止状態にしておけば、そのようなトラブルから作業内容を守ることができます。休止状態では、作業中の内容は一旦、記憶装置に保存されます。電源が切れても、記憶装置に保存された情報は消えません。次にパソコンを立ち上げた時には、保存された情報が読み込まれるので、中断したところから作業を再開できます。三つ目の利点は、作業効率の向上です。複数の書類を開いていたり、複雑な作業をしている途中でパソコンを閉じなければならなくなった時、全て保存してパソコンを閉じるのは、少し面倒ですよね。休止状態を使えば、作業内容を保存しなくても、すぐにパソコンを閉じることができます。次にパソコンを立ち上げた時には、閉じた時の状態がそのまま復元されるので、すぐに作業を再開できます。このように、休止状態は、電池の節約、作業内容の保護、そして作業効率の向上という三つの点で、私たちの役に立ってくれるのです。
利点 | 説明 |
---|---|
電力の節約 | スリープ状態と異なり、休止状態では電気がほとんど流れず、電源を切ったのとほぼ同じ状態になります。特にノートパソコンでは、バッテリーの持ちが大幅に改善されます。 |
作業内容の保護 | 作業中の内容は記憶装置に保存されるため、停電などが発生してもデータが失われる心配がありません。次回起動時には、保存された地点から作業を再開できます。 |
作業効率の向上 | 複数のファイルを開いていたり、複雑な作業中でも、保存操作なしですぐにパソコンを閉じることができます。次回起動時には、閉じた時の状態が復元され、すぐに作業を再開できます。 |
休止状態のデメリット
パソコンを一時的に使わない時に便利な「休止状態」。一見すると消費電力を抑えつつ作業をすぐに再開できる便利な機能ですが、知っておくべきデメリットもいくつか存在します。
まず、パソコンの利用を再開する際に、スリープ状態と比べて時間がかかります。スリープ状態は、作業内容をメモリーに保存したまま、消費電力を抑えた状態です。すぐに作業を再開できるのが利点です。一方、休止状態は作業内容を記憶装置(ハードディスクやSSD)に保存し、パソコンの電源を完全に切っている状態です。そのため、作業再開時には、記憶装置からメモリーへ作業内容を読み込む必要があり、どうしても時間がかかってしまうのです。
次に、記憶装置の容量を消費するという点も挙げられます。「ハイバーフィル.シス」というファイルが作成され、作業内容が保存されるのですが、このファイルの大きさはパソコンに搭載されているメモリーの容量とほぼ同じです。つまり、8ギガバイトのメモリーを搭載したパソコンであれば、8ギガバイトもの記憶装置の容量が使用されることになります。近年のパソコンは大容量の記憶装置を搭載していることが多いので、あまり問題にならない場合も多いですが、容量の少ないパソコンを使っている場合は注意が必要です。特に、回転式の記憶装置であるハードディスクの場合、空き容量が少なくなるとパソコン全体の動作が遅くなる可能性があります。
最後に、周辺機器やソフトとの相性が悪い場合があるという点も忘れてはなりません。休止状態から復帰した際に、一部の周辺機器が正常に動作しなかったり、ソフトが強制終了してしまうケースが稀にあります。
休止状態はメリットとデメリットの両方を理解した上で、ご自身の利用環境に合わせて使うかどうかを判断することが重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
再開時間 | スリープ状態より時間がかかる。記憶装置からメモリへ作業内容を読み込む必要があるため。 |
記憶装置容量 | ハイバーフィル.シスというファイルに作業内容が保存され、メモリ容量と同程度の容量を消費する。 |
周辺機器・ソフトとの相性 | 稀に、周辺機器が正常に動作しなかったり、ソフトが強制終了するケースがある。 |
休止状態の設定と解除
パソコンを使う上で、作業を一時中断したい時はしばしばあります。そんな時、作業状態を保存したままパソコンの電源を落とせる「休止状態」は大変便利な機能です。この機能の設定方法と解除方法について詳しく説明します。
休止状態の設定は、パソコンの設定画面から簡単に行えます。「設定」を開き、「システム」の中にある「電源とスリープ」を選択します。次に表示される画面の右側にある「関連設定」から「電源の追加設定」を選びます。すると、「電源オプション」の画面が開きますので、左側のメニューにある「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。この画面の上部に「現在利用できない設定を変更します」という青色の文字のリンクが表示されているのでクリックします。クリックすると、これまでグレーアウトされていた設定項目が操作できるようになります。その中に「休止状態」という項目がありますので、チェックを入れると休止状態が有効になり、チェックを外すと無効になります。
休止状態を無効にすると、「hiberfil.sys」という名前のファイルがパソコンから削除されます。このファイルは、休止状態にした時の作業状態を保存しておくためのファイルで、パソコンの記憶装置(ハードディスクやSSD)に保存されています。このファイルは、記憶装置の容量をかなり使いますので、休止状態を使わない場合は無効にして、記憶装置の空き容量を増やすのが良いでしょう。
設定画面からの操作以外にも、「コマンドプロンプト」と呼ばれる文字入力画面からも休止状態の設定を変更できます。「コマンドプロンプト」は管理者権限で起動する必要があります。起動後、「powercfg /hibernate on」と入力して実行すると休止状態が有効になり、「powercfg /hibernate off」と入力して実行すると無効になります。設定を変更したら、パソコンを再起動する必要はありません。すぐに設定が反映されます。
このように、休止状態の設定と解除は、どちらの方法でも簡単に行えます。自分の使い方に合わせて設定を変更し、快適なパソコン環境を作りましょう。
設定項目 | 操作 | 結果 |
---|---|---|
休止状態 | 設定画面でチェックを入れる | 休止状態が有効になる |
休止状態 | 設定画面でチェックを外す | 休止状態が無効になる、hiberfil.sysが削除される |
休止状態 | コマンドプロンプトで `powercfg /hibernate on` を実行 | 休止状態が有効になる |
休止状態 | コマンドプロンプトで `powercfg /hibernate off` を実行 | 休止状態が無効になる |
休止状態の使い方
休止状態とは、作業中のデータをすべて記憶装置に保存してからパソコンの電源を切る機能です。
まるで本に栞を挟んで閉じるように、次に電源を入れた時には、保存した時点の作業状態からすぐに再開できます。この機能は、仕事の続きを素早く始めたい時や、急な外出でパソコンを閉じなければならない時に大変便利です。
休止状態にするには、いくつかの方法があります。まず、画面左下の「スタート」と書かれた場所をクリックし、表示されるメニューから歯車の形をした「設定」を選びます。次に、「システム」を選び、表示された画面の左側から「電源とスリープ」を選びます。そして、「電源の追加設定」と書かれた部分を選びます。すると、「電源オプション」と書かれた窓が開きますので、左側に表示される「電源ボタンの動作を選択する」を選びます。ここで、パソコンの蓋を閉じた時や電源ボタンを押した時に、パソコンを休止状態にする設定ができます。
また、「スタート」メニューから直接休止状態にすることもできます。「スタート」メニューを開き、電源のマークをクリックすると、「スリープ」「シャットダウン」「再起動」といった項目が表示されます。もし、「休止状態」が表示されていない場合は、キーボードの「Shift」キーを押しながら電源マークをクリックしてみてください。すると、「休止状態」が表示されるので、選択すればパソコンが休止状態になります。
休止状態と似た機能に「スリープ状態」があります。スリープ状態は、作業中のデータをメモリーに保存したまま、パソコンの消費電力を抑えた状態にする機能です。休止状態と比べて、復帰までの時間が短いのが特徴です。しかし、停電などが発生すると、メモリーに保存されたデータが失われてしまう可能性があります。一方、休止状態はデータを記憶装置に保存するため、停電時でもデータは失われません。このように、休止状態とスリープ状態はそれぞれ利点と欠点があるため、状況に応じて使い分けることが大切です。例えば、短時間の休憩であればスリープ状態、長時間パソコンを使わない場合は休止状態にするのが良いでしょう。
機能 | 説明 | 利点 | 欠点 | 設定方法 | 起動方法 |
---|---|---|---|---|---|
休止状態 | 作業中のデータを記憶装置に保存し、電源を切る。 | 電源オフ時でもデータが保持されるため、停電時にも安全。次回起動時に作業状態を復元可能。 | スリープ状態と比べて復帰に時間がかかる。 | 1. スタートメニュー > 設定 > システム > 電源とスリープ > 電源の追加設定 > 電源ボタンの動作を選択する 2. 電源ボタンや蓋を閉じた時の動作を設定 |
1. スタートメニュー > 電源マーク > 休止状態 2. スタートメニュー > 電源マーク(Shiftキーを押しながら) > 休止状態 |
スリープ状態 | 作業中のデータをメモリに保存し、低電力状態にする。 | 休止状態より復帰時間が短い。 | 停電時にデータが失われる可能性がある。 | – | スタートメニュー > 電源マーク > スリープ |