危険なSQLインジェクション:仕組みと対策

危険なSQLインジェクション:仕組みと対策

ITを学びたい

先生、「ダイレクトSQLコマンドインジェクション」って、何ですか?SQLインジェクションの別名らしいんですけど、よく分かりません。

IT専門家

そうだね、難しい言葉だね。「ダイレクトSQLコマンドインジェクション」は「SQLインジェクション」と同じ意味で、悪意のある人がデータベースを不正に操作するために使う手法の一つだよ。たとえば、ウェブサイトの入力フォームに特殊な命令をこっそり埋め込んで、データベースの情報を読み出したり、書き換えたりするんだ。

ITを学びたい

ウェブサイトの入力フォームに特殊な命令を埋め込むんですか?具体的にはどんなことをするんですか?

IT専門家

例えば、会員サイトにログインする時、IDとパスワードを入力するよね?そこで、パスワードの入力欄に「’ OR ‘1’=’1」といった特殊な文字列を入れると、本来のパスワード確認をすり抜けて、ログインできてしまう可能性があるんだ。これがSQLインジェクションの一例だよ。データベースに直接命令を注入するイメージだね。

ダイレクトSQLコマンドインジェクションとは。

「情報技術」に関する言葉である『直接データベース操作命令挿入』(『データベース操作命令挿入』の別名。詳しくは『データベース操作命令挿入』を参照してください。)について

はじめに

はじめに

情報を蓄積し、活用する大切な仕組みであるデータベースを扱う多くの応用ソフトは、常に様々な脅威にさらされています。中でも、問合わせ言語を悪用した「構造化問合わせ言語投入」という攻撃は、情報の漏えいや改ざん、破壊といった深刻な被害をもたらす可能性があり、開発者や運用管理者にとって大きな課題となっています。

この攻撃は、応用ソフトの脆さを突いて、本来想定されていない命令をデータベースに直接送り込むことで実行されます。例えば、利用者が入力欄に特定の文字列を巧みに挿入することで、データベース内の情報を不正に引き出したり、書き換えたりすることができてしまうのです。本稿では、数ある「構造化問合わせ言語投入」攻撃の中でも、特に直接命令文を送り込むタイプの攻撃、「直接構造化問合わせ言語命令投入」に焦点を当て、その仕組みと対策を詳しく解説します。

まず、この攻撃が成立する仕組みですが、応用ソフトが利用者からの入力を適切に検査せずにデータベース問合わせ文に組み込んでしまうことが原因です。攻撃者は、この隙を突き、入力欄にデータベースへの命令を紛れ込ませます。すると、応用ソフトは悪意のある命令を含んだ問合わせ文をデータベースに送信し、意図しない操作が実行されてしまうのです。

このような攻撃を防ぐためには、利用者からの入力データを厳密に検査することが不可欠です。具体的には、入力データに含まれる特殊文字を無害化する「エスケープ処理」や、あらかじめ許可された値のみを受け付ける「ホワイトリスト方式」といった対策が有効です。また、データベースへの接続に利用する権限を必要最小限に制限することも重要です。過剰な権限を与えないことで、万が一攻撃が成功した場合でも被害を最小限に抑えることができます。

近年、攻撃の手口はますます巧妙化しており、開発者や運用管理者は常に最新の情報を収集し、適切な対策を講じる必要があります。本稿で解説した内容を参考に、安全な仕組み作りに取り組んでいきましょう。

攻撃名 構造化問合わせ言語投入(SQLインジェクション)
種類 直接構造化問合わせ言語命令投入
脅威 情報の漏えい、改ざん、破壊
原因
  • 応用ソフトの脆弱性
  • 利用者入力の不適切な検査
  • 想定外の命令のデータベースへの送信
攻撃の仕組み
  1. 攻撃者が、入力欄にデータベースへの命令を紛れ込ませる。
  2. 応用ソフトは、悪意のある命令を含んだ問合せ文をデータベースに送信する。
  3. 意図しない操作が実行される。
対策
  • 入力データの厳密な検査(エスケープ処理、ホワイトリスト方式)
  • データベース接続権限の最小限制限

仕組みの解説

仕組みの解説

直接データベース問い合わせ文組込みという手法は、利用者から受け取った情報を利用する際に、十分な安全確認をせずにデータベースへ直接送ってしまうことで起こります。これは、攻撃者が、書き込み欄などに悪意のあるデータベース問い合わせ文を紛れ込ませ、データベースに本来とは異なる操作をさせることを目的としています。

具体的には、データベースに保存されている大切な情報を読み出したり、情報を書き換えたり、最悪の場合、データベースそのものを壊してしまうことも考えられます。この攻撃は、見た目上問題のない連絡窓口のようなものを悪用し、データベースを不正に操るため、危険度の高い攻撃手法と言えます。

攻撃者は、特殊な記号やデータベース問い合わせ文の文法を巧みに使い、データベースの安全対策をすり抜けようとします。例えば、問い合わせ文の最後に「;」をつけて別の命令を付け加えたり、引用符を使って本来の文脈を壊したりするなど、様々な方法が用いられます。

このような攻撃を防ぐためには、利用者から受け取った情報の確認と、特別な記号を安全なものに変換する処理が欠かせません。情報の確認では、受け取った情報が想定される範囲内かどうか、予期しない文字列が含まれていないかなどを厳密にチェックする必要があります。特別な記号の変換では、「’」のような記号を「”」のように安全なものに変換することで、攻撃者が悪意のある文を紛れ込ませるのを防ぎます。これらの対策を適切に行うことで、直接データベース問い合わせ文組込みの危険性を大幅に減らすことができます。また、あらかじめ用意された問い合わせ文のみを使うようにしたり、データベースへのアクセス権限を必要最小限にするなども有効な対策です。

システム開発者は、このような攻撃の危険性を十分に理解し、適切な対策を講じる必要があります。利用者の情報やデータベースの安全を守るためには、セキュリティに関する知識を常に最新の状態に保ち、システムの安全性を高める努力を続けることが重要です。

概要 対策
直接データベース問い合わせ文組込みとは、利用者から受け取った情報を利用する際に、十分な安全確認をせずにデータベースへ直接送ってしまうことで起こる攻撃手法。攻撃者は悪意のあるデータベース問い合わせ文を紛れ込ませ、データベースに本来とは異なる操作をさせる。例えば、情報の読み出し、書き換え、データベースの破壊などが考えられる。
  • 利用者から受け取った情報の確認(想定される範囲内か、予期しない文字列が含まれていないか)
  • 特別な記号を安全なものに変換(例:「’」を「”」)
  • あらかじめ用意された問い合わせ文のみを使う
  • データベースへのアクセス権限を必要最小限にする

危険性の深刻さ

危険性の深刻さ

不正な指示を混ぜ込んだ問合せをデータベースに送り込むことで、情報を盗み見たり、書き換えたり、あるいは止めたりする、「構造化問合せ言語注入」と呼ばれる手法は、甚大な被害をもたらす可能性があります。この手法は、顧客の個人情報や企業の機密情報といった大切な情報の漏えいにつながりかねません。情報の漏えいは、企業の信頼を失墜させ、経済的な損害を与えるだけでなく、法律に基づく責任を問われることもあり得ます。

また、データの書き換えにより、組織の仕組みが正しく動かなくなり、日々の業務に大きな支障が出ることも考えられます。例えば、受注管理の仕組みが改ざんされれば、商品の発送が滞り、顧客に迷惑をかけるだけでなく、会社の売上にも影響します。さらに、攻撃者によってデータベースが壊されてしまうと、元の状態に戻すのに多大な時間と費用がかかります。場合によっては、数週間、数ヶ月といった長期間にわたり、事業の継続が難しくなることも考えられます。

例えば、通販サイトが攻撃を受け、顧客の住所やクレジットカード情報が漏えいしたとします。顧客は会社への信頼を失い、二度と利用しなくなるかもしれません。また、会社の評判は大きく傷つき、新たな顧客獲得も難しくなるでしょう。さらに、個人情報保護法違反で罰金を科せられる可能性もあります。

このように、「構造化問合せ言語注入」は企業にとって大きな脅威です。だからこそ、この攻撃を防ぐための対策は、企業にとって最優先で取り組むべき課題の一つと言えるでしょう。早急に対策を講じることで、会社の情報資産を守り、信頼を維持していく必要があります。

攻撃手法 被害 影響 具体例(通販サイト)
構造化問合せ言語注入 情報の盗み見、書き換え、停止
  • 顧客の個人情報や企業の機密情報の漏えい
  • 企業の信頼失墜、経済的損害
  • 法的責任
  • 組織のシステム停止、業務支障
  • データ復旧の時間と費用
  • 事業継続の困難化
  • 顧客の住所やクレジットカード情報の漏えい
  • 顧客の信頼喪失、顧客離れ
  • 会社の評判失墜、新規顧客獲得困難
  • 罰金

具体的な対策方法

具体的な対策方法

不正なデータベース操作を防ぐための対策を具体的にご紹介します。データベースに悪意のある命令文を注入する攻撃を防ぐには、幾つかの方法を組み合わせることが効果的です。

まず、利用者から受け取った情報の内容を厳密に確認することが重要です。命令文として解釈される特殊な記号が含まれていないか、プログラムでチェックする仕組みが必要です。特殊な記号を無害な文字列に変換することで、悪意のある命令文の実行を防ぎます。

次に、命令文とデータとを分けて扱う方法も有効です。あらかじめ命令文の型を定めておき、そこにデータを入れる形にすることで、命令文がデータとして解釈されることを防ぎます。これは、データベースとのやり取りをする際に安全性を高めるための標準的な手法と言えます。

さらに、データベースへの接続権限を必要最小限にすることも重要です。必要な権限だけを適切な人に与えることで、万が一不正アクセスが発生した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。システム管理者であっても、全ての権限を持つのではなく、作業に必要な権限のみを持つようにするのが理想です。

また、外部からの攻撃を監視し、遮断する仕組みを導入することも有効です。これは、様々な攻撃を検知し、未然に防ぐための仕組みです。この仕組みを導入することで、多層的な防御が可能になり、より安全性を高めることができます。

これらの対策を組み合わせて実行することで、不正なデータベース操作のリスクを大幅に減らすことができます。どれか一つだけを行うのではなく、複数の対策を講じることで、より強固なセキュリティを実現できます。

対策 説明
入力値の厳密な確認 利用者から受け取った情報に、命令文として解釈される特殊な記号が含まれていないかを確認し、無害な文字列に変換する。
命令文とデータの分離 命令文の型を定めておき、そこにデータを入れる形にすることで、命令文がデータとして解釈されることを防ぐ。
データベース接続権限の最小化 必要な権限だけを適切な人に与え、万が一不正アクセスが発生した場合でも被害を最小限に抑える。
外部からの攻撃の監視と遮断 様々な攻撃を検知し、未然に防ぐための仕組みを導入し、多層的な防御を行う。
対策の組み合わせ 複数の対策を組み合わせて実行することで、より強固なセキュリティを実現する。

開発時の注意点

開発時の注意点

網の目をくぐる情報交換の仕組みを作る時は、情報の安全性を第一に考える必要があります。しっかりとした設計と、それを実現する作業は欠かせません。作る人は、網の目をくぐる悪い情報操作をされないように、正しい書き方の決まりを守り、安全に関する教えをきちんと受ける必要があります。また、定期的に安全確認を行い、弱い部分を見つけたらすぐに直すことも大切です。さらに、安全に関する最新の情報を常に把握し、必要に応じて仕組みを新しくすることで、新しい危険にも対応できるようにしておく必要があります。安全のための対策は、一度やったら終わりではなく、常に気を配り続けることが大切です

例えば、書き込み欄に特殊な記号を入れることで、仕組みの奥深くにある情報を盗み見ようとする悪い人がいます。このような網の目をくぐる情報操作を防ぐには、入力された情報をきちんと確認し、危険な記号を無害化する必要があります。

また、作った仕組みを動かす場所の安全も大切です。動かす場所の入り口をしっかり管理し、許可されていない人が入れないようにする必要があります。さらに、作った仕組みだけでなく、その仕組みを使う周りの道具類の安全にも気を配る必要があります。もし周りの道具に弱い部分があれば、そこから悪い人が入り込んでくる可能性があります。

安全対策は、多層防御といって、いくつもの対策を重ねることが大切です。一つの対策が破られても、次の対策で防ぐことができるように、何重にも安全対策をしておく必要があります。

このように、網の目をくぐる情報交換の仕組みを作る時は、様々な危険を想定し、常に安全を意識しながら作業を進めることが大切です。そして、安全対策は一度行えば終わりではなく、継続的に見直し、改善していく必要があります。

対策項目 詳細
設計と実装 網の目をくぐる悪意のある操作を阻止するための適切な設計と実装が必須。
開発者教育 開発者はセキュアコーディングの原則とセキュリティに関する教育を受ける必要がある。
定期的なセキュリティ確認 定期的な脆弱性診断と迅速な修正を実施。
最新情報の把握とシステム更新 最新のセキュリティ情報と脅威への対応策を把握し、システムを更新。
継続的なセキュリティ対策 セキュリティ対策は一度で終わりではなく、継続的な注意と改善が必要。
入力バリデーション 特殊記号などの危険な入力を無害化。
環境セキュリティ システム稼働環境へのアクセス制御。
周辺機器のセキュリティ システム周辺機器の脆弱性対策。
多層防御 複数のセキュリティ対策を組み合わせることで、単一対策の突破によるリスク軽減。
セキュリティ意識の維持 常にセキュリティを意識した開発と運用。
継続的な見直しと改善 継続的なセキュリティ対策の見直しと改善。

まとめ

まとめ

インターネット上の様々なサービスで利用されている情報を保存したり、取り出したりするための仕組みであるデータベース。このデータベースを扱うための言葉である「構造化照会言語」を悪用した攻撃が、昨今、問題となっています。この攻撃は、「構造化照会言語注入」と呼ばれ、外部からの不正な命令をデータベースに送り込み、情報を盗み見たり、改ざんしたり、最悪の場合、システム全体を乗っ取られてしまう危険性があります。この記事では、この「構造化照会言語注入」の仕組みと、その対策について解説します。

「構造化照会言語注入」は、ウェブサイトの入力欄などに、特別な命令を紛れ込ませることで発生します。例えば、会員登録の画面で、氏名欄に命令を埋め込むと、データベースに保存されている会員全員の情報が盗み出される可能性があります。また、ログイン画面でパスワード欄に命令を埋め込むことで、本来は許可されていない管理者権限でシステムにログインできてしまうケースも考えられます。こうした攻撃は、ウェブサイトの脆弱性をついた巧妙な手口で行われるため、気づかずに被害に遭ってしまうことが多いです。

では、どのようにしてこの「構造化照会言語注入」からシステムを守れば良いのでしょうか?まず、ウェブサイトを作る側は、入力された情報を適切に検査する必要があります。特別な命令が含まれていないか、厳密にチェックする仕組みを導入することで、攻撃を防ぐことができます。また、データベースへのアクセス権限を最小限にすることも重要です。仮に攻撃が成功した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。さらに、システムを常に最新の状態に保つことも大切です。古いシステムには既知の脆弱性が存在する可能性が高いため、常に最新版に更新することで、セキュリティを強化できます。

ウェブサイトを利用する側も、セキュリティ意識を持つことが重要です。信頼できないウェブサイトでは個人情報を入力しない、不審なメールに記載されたリンクをクリックしないなど、基本的な対策を徹底することで、被害を未然に防ぐことができます。安全なインターネット環境を実現するためには、ウェブサイトを作る側と利用する側が協力し、セキュリティ対策を共に推進していく必要があります。この記事が、皆様のセキュリティ対策の一助となれば幸いです。

攻撃名 概要 攻撃方法 被害 対策(開発者) 対策(利用者)
構造化照会言語注入 データベースを扱うための言語を悪用した攻撃 Webサイトの入力欄に特別な命令を紛れ込ませる 情報漏洩、改ざん、システム乗っ取り
  • 入力情報の適切な検査
  • データベースへのアクセス権限の最小化
  • システムの最新化
  • 信頼できないWebサイトでの個人情報入力の回避
  • 不審なメールのリンククリック回避
  • セキュリティ意識の向上