動画圧縮の原点:MPEG-1
ITを学びたい
先生、「エムペグワン」って動画を小さくする技術のひとつって聞きましたが、どういうものかよく分かりません。教えてください。
IT専門家
いいかい。「エムペグワン」は、動画や音のデータを小さくして、例えばCDのようなものにより多くの情報を入れられるようにする技術のことだよ。 VHSビデオくらいの画質で、CD一枚に1時間くらいの動画を入れられるんだ。
ITを学びたい
CDに1時間も動画が入るんですか!すごいですね。でも、画質はVHSビデオ程度だと少し悪そうですね。
IT専門家
そうだね。でも当時は画期的な技術だったんだよ。エムペグワンは、エムペグという規格の中のひとつで、他にも種類があるんだ。技術は進歩していくから、エムペグワンよりもっと高画質で小さくできる技術も今はたくさんあるんだよ。
MPEG-1とは。
『エムペグワン』という言い方をする『動画と音のデータをしぼるやり方』について説明します。これはエムペグ規格というもののひとつです。コンパクトディスク一枚に、一時間ほどの動画を入れることができます。画質は、ブイエイチエスビデオと同じくらいです。詳しくはエムペグで調べてみてください。
はじめに
今では動画配信の場を使って、高画質の動画を手軽に楽しむことができます。少し前までは、貸出店へ行き、ビデオテープを借りて映画などを視聴するのが当たり前の光景でした。家庭用のビデオテープの画質は、決して高いとは言えず、現在の高画質映像とは比べ物になりません。ぼやけた映像やノイズに悩まされた方も多いのではないでしょうか。しかし、レンタルビデオの登場は、家庭で手軽に動画を楽しめるようになったという点で、革新的な出来事でした。
映画館に行かなくても、好きな時間に好きな映画を自宅で見ることができるようになったのです。この手軽さが、ビデオテープの人気を支えていました。その後、ビデオテープ並みの画質でありながら、CDに動画を記録できる技術が登場しました。これは動画の歴史における大きな転換点と言えるでしょう。比較的小さなCDに動画が記録できるようになったことで、動画の持ち運びや保存がより簡単になりました。そして、この革新的な技術こそが、今回紹介するMPEG-1なのです。
MPEG-1とは、動画と音声を圧縮して、データの大きさを小さくする技術です。動画や音声のデータはそのままでは非常に大きいため、記録媒体に保存するには、データの大きさを小さくする必要があります。MPEG-1はこの圧縮技術により、CDという比較的小さな記録媒体に、1時間程度の動画を保存することを可能にしました。これは当時としては画期的なことで、CDの普及を後押しする大きな要因の一つとなりました。MPEG-1は、その後の動画圧縮技術の基礎となる重要な技術であり、現在の高画質動画配信時代への礎を築いたと言えるでしょう。
時代 | 技術 | 特徴 | 影響 |
---|---|---|---|
レンタルビデオ時代 | ビデオテープ | 画質は低い | 家庭で手軽に動画を楽しめるようになった |
CD時代 | MPEG-1 | ビデオテープ並みの画質でCDに動画を記録できる 動画と音声を圧縮してデータの大きさを小さくする技術 |
動画の持ち運びや保存が容易になった CDの普及を後押しした |
現在 | 高画質動画配信 | 高画質 | – |
技術の仕組み
動画や音声をぎゅっと小さくする技術、エムペグいち、その仕組みをひもといてみましょう。
動画は、実はパラパラ漫画のように、たくさんの静止画を連続して高速で表示することで動いているように見せているのです。エムペグいちは、この連続した静止画の中から、変化のない部分を探し出して、データ量を減らす工夫をしています。
例えば、背景がまったく動かない場面を考えてみてください。一枚目の背景を記録しておけば、後の場面では背景のデータは同じなので、改めて記録する必要はありません。二枚目以降は、人物の動きなど、変化があった部分だけを記録すればよいのです。このように、変化のない部分を省くことで、データの量を大幅に減らすことができるのです。
音声についても、同じような工夫がされています。人間の耳には聞こえにくい音や、必要のない音は思い切ってカットします。例えば、機械の小さなノイズなどは、私たちの耳にはほとんど聞こえないので、あえて記録する必要はないのです。こうした、聞こえにくい音や不要な音を削ることで、音声データも小さくなります。
エムペグいちは、このような、動画と音声のデータを小さくする技術によって、コンパクトディスクという限られた容量の中に、動画と音声を収めることを可能にしているのです。まるで魔法の箱にたくさんの物を入れるように、限られた場所にたくさんの情報を詰め込む、そんな技術なのです。
種類 | MPEG-1の仕組み | 効果 |
---|---|---|
動画 | 連続した静止画のうち、変化のない部分を記録しない(例:背景が動かない場合、最初の1枚だけ記録し、以降は変化した部分のみ記録) | データ量を大幅に削減 |
音声 | 人間の耳に聞こえにくい音や不要な音をカット(例:機械のノイズなど) | 音声データの削減 |
画質と音声
動画の圧縮技術、エムペグ1の画質は、家庭用ビデオテープ、ブイエッチエスと同程度のものです。今の高画質映像と比べると、どうしても粗く見えてしまうところもあるでしょう。しかし、コンパクトディスクに動画を記録できるという点で、当時はとても革新的な技術だったのです。
エムペグ1が登場した当時は、動画を記録するには大きなテープが必要でした。これは持ち運びにも不便で、場所も取ってしまうものでした。しかし、エムペグ1によって、コンパクトなディスクに動画を保存できるようになったのです。画質はブイエッチエス程度でも、手軽に持ち運べるという利点は非常に画期的でした。
音声についても、コンパクトディスクと同じくらいの音質を実現しています。音楽用のコンパクトディスクと同じように、クリアな音声を動画と一緒に楽しむことができました。これは、動画と音声を同時に圧縮することで可能になった技術です。
限られたディスクの容量の中に、映像と音声の情報をうまく詰め込む必要がありました。そこで、エムペグ1は、人間の目や耳にはあまり感じられない情報を省くことで、データの量を小さくすることに成功したのです。これはまるで、大きな荷物を小さく畳んで、小さな箱にしまうようなものです。
エムペグ1は、動画と音声を同時に圧縮する技術によって、コンパクトディスクへの記録を実現し、新しい時代の幕開けを告げたと言えるでしょう。その後の技術発展にも大きく貢献し、今の高画質映像の時代へと繋がっていく礎を築いた、重要な技術なのです。
項目 | 内容 |
---|---|
画質 | VHS程度 |
革新性 | CDに動画記録が可能 |
音声 | CD音質 |
圧縮技術 | 人間の目や耳に感じられない情報を省く |
意義 | 動画と音声の同時圧縮、CDへの記録、後の技術発展の礎 |
規格の進化
動画を縮めるやり方の規格は、時代とともに大きく進歩してきました。その始まりと言えるのが、エムペグ・ワンと呼ばれる規格です。エムペグ・ワンは、初めて実用化された動画縮小規格として、後の規格の土台となりました。
エムペグ・ワンのおかげで、初めて動画を縮めて、コンピュータで扱いやすくなりました。しかし、エムペグ・ワンでは、画質や音質があまり良くありませんでした。そこで、より綺麗な映像や音声を扱うために、新しい規格が求められました。
エムペグ・ワンの後には、エムペグ・ツーが登場しました。エムペグ・ツーは、エムペグ・ワンよりも高い画質と音質を実現し、DVDなどで広く使われるようになりました。地上デジタル放送などでも使われており、より多くの人が綺麗な映像を楽しめるようになりました。
さらに、エムペグ・フォーが登場し、画質と音質はさらに向上しました。エムペグ・フォーは、インターネットで動画を配信する際にも使われるようになり、今では、高画質の動画を手軽に見ることができるようになりました。
このように、エムペグ・ワンからエムペグ・ツー、エムペグ・フォーへと進化することで、動画の画質と音質は飛躍的に向上しました。今では当たり前に高画質の動画を楽しめるようになりましたが、これらの技術の進歩は、エムペグ・ワンという最初の規格があったからこそ実現したと言えるでしょう。エムペグ・ワンは、動画縮小規格の原点として、その後の技術発展に大きく貢献しました。
規格名 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
MPEG-1 | 初めて実用化された動画縮小規格。画質・音質は低い。 | 動画をコンピュータで扱いやすくした。 |
MPEG-2 | MPEG-1より高画質・高音質。 | DVD、地上デジタル放送など。 |
MPEG-4 | MPEG-2よりさらに高画質・高音質。 | インターネット動画配信、高画質動画視聴など。 |
現代社会への影響
動画電子化技術規格の一つであるエムペグワンは、現代社会、特に映像を取り扱う分野に大きな影響を与えました。インターネットを通じて動画を送り届ける仕組みが普及し始めた頃、通信回線の速度は現在と比べてとても遅く、動画の送受信には多くの時間を要していました。そのような時代に登場したエムペグワンは、動画の情報を効率的に縮めることで、限られた回線速度でも動画を視聴することを可能にしました。
エムペグワンによって圧縮された動画は、以前の方法と比べて画質は劣るものの、当時としては画期的な技術でした。スムーズな動画再生は、動画配信の仕組みを急速に広める大きな力となり、人々が気軽に動画を楽しむ文化の礎を築きました。現代では、エムペグワンよりも高画質で滑らかな動画圧縮の技術が主流となっていますが、動画配信黎明期を支えたのはエムペグワンだったと言えるでしょう。
さらに、エムペグワンの登場は、動画圧縮技術全体の進歩を促すきっかけにもなりました。より高画質で、より容量の小さい動画を実現しようと、様々な研究開発が行われ、次々と新しい技術が生まれていきました。エムペグワンは、それ自体が革新的な技術であっただけでなく、後続の技術発展の土台を築き、高画質映像が広く普及する社会を間接的に後押ししたのです。動画は今や、情報を得たり、娯楽を楽しんだり、人と繋がったりするための重要な手段となっています。エムペグワンは、このような動画が身近にある社会の実現に大きく貢献したと言えるでしょう。
MPEG-1の特徴 | MPEG-1の影響 |
---|---|
動画情報を効率的に縮小 限られた回線速度での動画視聴を可能に |
動画配信の仕組みを急速に普及 人々が気軽に動画を楽しむ文化の礎を築く 動画圧縮技術全体の進歩を促進 後続技術発展の土台 |
まとめ
動画と音声を小さくまとめる技術、エムペグいち、についてまとめます。この技術のおかげで、コンパクトディスク(CD)に動画を入れることができるようになりました。ビデオテープ並みの画質ではありますが、当時はとても画期的なことでした。
エムペグいちは、その後の動画を小さくする技術の土台となりました。今の動画配信が広く使われるようになっているのも、エムペグいちのおかげと言えるでしょう。動画の歴史を語る上で、エムペグいちはなくてはならない存在です。
エムペグいちは、CDという限られた大きさに動画を収めるために、いくつかの工夫をしました。まず、動画の中でほとんど変化しない部分をうまく省くことで、データの量を減らしました。次に、人間の目にはあまり見えない細かい部分をあえて省くことで、さらにデータ量を減らしました。また、音声についても、人間の耳には聞こえにくい音を省くことで、データ量を小さくしました。
このように、エムペグいちは、人間の視覚や聴覚の特性をうまく利用することで、画質や音質をあまり落とさずにデータ量を小さくすることに成功しました。この技術は、その後のエムペグに(エムペグツー)、エムペグよん(エムペグフォー)といった、より高画質で高音質な動画を実現する技術の基礎となりました。
エムペグいちは、動画技術の発展に大きく貢献した、まさに先駆けとなる技術と言えるでしょう。これから先も、さらにきれいな画質、よりよい音質の動画技術が開発され、私たちの暮らしをより豊かにしてくれるでしょう。これらの技術の根底には、エムペグいちのような、先人たちのたゆまぬ努力と工夫があることを忘れてはなりません。
MPEG-1の特徴 | MPEG-1の影響 |
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CDに動画を格納できる画期的な技術 | 後の動画圧縮技術の土台となる |
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高画質、高音質動画技術(MPEG-2、MPEG-4)の基礎 |
人間の視覚、聴覚の特性をうまく利用 | 動画技術の発展に大きく貢献 |