ハードウエア 現代社会を支える縁の下の力持ち:相補型金属酸化膜半導体
今の電子機器には欠かせない部品に、相補型金属酸化膜半導体というものがあります。これは一般的にシーモスと呼ばれ、電気をあまり使わないという大きな特徴があります。一体どのようにして電気を節約しているのでしょうか。シーモスの構造を見てみると、P型とN型と呼ばれる二種類のトランジスタが組み合わさっています。トランジスタとは、電気の流れを制御する小さなスイッチのようなものです。P型トランジスタとN型トランジスタは、それぞれ得意な電流の流し方が違います。シーモスではこの二種類のトランジスタを上手に組み合わせることで、無駄な電気を減らしています。例えば、電気を流す必要がない時、シーモスはどちらの種類のトランジスタもほぼ完全にオフの状態にします。つまり、スイッチを切って電気が流れないようにするのです。しかし、ただスイッチを切るだけでは、次に電気を流したい時に備えて、電圧は保持しておかなければなりません。シーモスは、電気を流さない状態でも電圧を保持することができる特別な構造をしています。ちょうど、水道の蛇口を閉めても水道管の中には水圧が残っているようなものです。このように、シーモスは電気を流していない時でも電圧を維持することができ、電気を流す時だけ必要な電力を消費するので、無駄がありません。私たちの身の回りにある、電話や持ち運びできる計算機など、電池で動く機器の多くは、このシーモスのおかげで長時間使うことができます。もしシーモスがなかったら、これらの機器はすぐに電池が切れてしまい、とても使い物になりません。シーモスは、現代の便利な生活を陰で支えている、縁の下の力持ちと言えるでしょう。
