格安スマホの仕組み:MVNO徹底解説
ITを学びたい
先生、「MVNO」って最近よく聞くんですけど、何のことですか?
IT専門家
いい質問だね。「MVNO」は、自分で電波の塔とか回線を持っていないけど、他の会社から借りて、携帯電話のサービスを提供している会社のことだよ。例えるなら、お店を自分で建てずに、既に建っているお店を借りて営業しているようなものだね。
ITを学びたい
なるほど!じゃあ、ドコモとかauとかソフトバンクみたいな会社とは違うんですか?
IT専門家
そうだよ。ドコモやau、ソフトバンクなどは自社で回線網を持っているから「MNO」と呼ばれるんだ。MVNOは、これらのMNOから回線を借りてサービスを提供しているんだよ。
MVNOとは。
『エムブイエヌオー』とは、IT用語の一つで、自分では携帯電話やPHSなどの回線網を持たずに、他の会社の回線を借りて、携帯電話などの通信サービスを提供する事業者のことです。これは英語の『mobile virtual network operator』の頭文字をとったものです。ちなみに、自前の回線網で通信サービスを提供する事業者は『エムエヌオー』と言います。
仮想移動体通信事業者とは
みなさんは仮想移動体通信事業者という言葉を聞いたことがありますか?なんだか難しそうな言葉ですが、実は身近な存在なんです。仮想移動体通信事業者は、略してMVNOと呼ばれています。MVNOは自前で電波を飛ばすための設備を持っていません。では、どうやって通信サービスを提供しているのでしょうか?その秘密は、既存の携帯電話会社から回線を借りていることにあります。
既存の携帯電話会社、つまり自社で回線網設備を持っている会社のことをMNOといいます。MVNOは、このMNOから回線を借りて、独自の料金プランで通信サービスを提供しています。例えるなら、大家さんから部屋を借りて、それを別の人に貸し出すようなものです。MVNOは大家さん、MNOは部屋の元々の持ち主、そして利用者は部屋を借りる人といったところでしょうか。
MVNOの一番のメリットは、低価格でサービスを提供できることです。なぜなら、自前で回線設備を持つ必要がないため、設備投資にかかる莫大な費用を抑えることができるからです。MNOは莫大な初期費用をかけて全国に基地局などを設置し、維持管理していく必要があります。一方、MVNOは既にMNOが整備した設備を利用するため、設備投資の負担が大幅に軽減されます。その分、利用者にとってお得な料金プランを提供できるのです。
近年、格安スマホや格安SIMといった言葉をよく耳にするようになりました。これらのサービスのほとんどは、MVNOによって提供されています。MVNOの登場により、携帯電話の利用料金は大きく下がりました。今では、携帯電話市場においてMVNOはなくてはならない重要な存在となっています。
項目 | 説明 |
---|---|
仮想移動体通信事業者(MVNO) | 自社で回線設備を持たず、既存の携帯電話会社(MNO)から回線を借りて、独自の料金プランで通信サービスを提供する事業者。格安スマホや格安SIMを提供。 |
移動体通信事業者(MNO) | 自社で回線網設備を持つ会社。MVNOに回線を貸し出す。 |
MVNOのメリット | 設備投資が不要なため、低価格でサービスを提供できる。 |
MNOの負担 | 全国に基地局などを設置し、維持管理していく必要があるため、莫大な設備投資が必要。 |
MVNOの現状 | 格安スマホや格安SIMの普及により、携帯電話市場において重要な存在となっている。 |
大手通信会社との違い
電話や情報のやり取りをする会社には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、自前で電波を送受信する設備を持っている会社です。もう一つは、設備を持っている会社から電波を借りてサービスを提供する会社です。
自前で設備を持っている会社は、多くの鉄塔や基地局といった通信設備を所有し、管理・運営しています。これらの設備を維持するには、莫大な費用がかかります。しかし、自社で全てを管理できるため、通信の質や新しい技術の導入などを自由に決められます。新しいサービスをいち早く提供できるのも強みです。
一方、電波を借りている会社は、設備を持たないため、設備投資にかかる費用を大幅に抑えられます。これが、利用料金を安く提供できる大きな理由です。しかし、電波を借りている以上、どうしても元の会社の状況に影響を受けます。例えば、元の会社の回線が混雑している時間帯は、電波を借りている会社の通信速度も遅くなることがあります。また、元の会社が提供する特別なサービスの一部は利用できない場合もあります。
このように、両者はそれぞれに利点と欠点を持っています。利用者は、自分の使い方や重視する点に合わせて、どちらの会社を選ぶかを決める必要があります。例えば、通信の安定性を重視するのであれば、設備を持っている会社を選ぶのが良いでしょう。一方、料金の安さを重視するのであれば、電波を借りている会社を選ぶのが良いでしょう。重要なのは、それぞれの違いをよく理解し、自分に合ったサービスを選ぶことです。
項目 | 自社で設備を持つ会社 | 設備を借りる会社 |
---|---|---|
設備投資 | 莫大な費用が必要 | 設備投資は不要 |
通信品質・新技術導入 | 自由に決定可能 | 元の会社に依存 |
サービス提供速度 | 速い | 元の会社に依存 |
料金 | 高め | 安め |
通信速度の安定性 | 安定性が高い | 元の会社に依存、混雑時に速度低下 |
サービスの利用範囲 | 広範囲 | 元の会社が提供するサービスの一部は利用できない場合あり |
メリット | 高品質なサービス、最新技術の導入が早い | 低価格 |
デメリット | 料金が高い | 品質・速度が不安定、一部サービス利用不可 |
向き | 通信の安定性、最新技術を重視する人 | 料金の安さを重視する人 |
MVNOのメリット
携帯電話を使う上で、毎月の料金は大きな負担となります。そんな負担を軽くしてくれるのが、格安携帯会社と呼ばれるMVNOです。MVNOの最大の利点は、大手携帯会社であるMNOと比べて、毎月の利用料金を大幅に抑えられることです。大手携帯会社と同じ回線を使っているため、通信品質に大きな差はありませんが、料金は驚くほどお得になります。
MVNOの魅力は、料金プランの豊富さにもあります。通話だけでなく、インターネットをよく使う人、インターネットはあまり使わない人など、様々な使い方に合わせたプランが用意されています。例えば、インターネット専用のプラン、音声通話もできるプラン、インターネットの利用容量が多いプランや少ないプランなど、自分の使い方にぴったり合ったプランを選べます。家族で使う場合でも、それぞれの使い方に合ったプランを選んで、無駄な料金を支払うことなく、賢く利用できます。
さらに、契約期間に縛りがないプランが多いのもMVNOのメリットです。大手携帯会社の場合、2年や3年といった契約期間の縛りがあることが一般的ですが、MVNOではそのような縛りがないプランが多くあります。そのため、気軽に他の会社に乗り換えられるので、自分に合ったプランが見つからなければ、別のMVNOに乗り換えることも簡単です。また、短期間だけ利用したい場合にも、気軽に利用を開始し、終了することができます。自分に合ったプランを探しやすく、柔軟に携帯電話を使えることが、MVNOの大きな魅力と言えるでしょう。
メリット | 詳細 |
---|---|
毎月の利用料金を大幅に抑えられる | 大手携帯会社と同じ回線を使用するため、通信品質に大きな差はない。 |
料金プランの豊富さ | インターネット専用プラン、音声通話プラン、容量別プランなど、様々なプランから選択可能。家族でそれぞれの使い方に合ったプランを選べる。 |
契約期間に縛りがないプランが多い | 気軽に他の会社に乗り換え可能。短期間の利用にも便利。 |
MVNOのデメリット
格安携帯会社(MVNO)を選ぶ際には、いくつか注意すべき点があります。まず、通信速度についてです。大手携帯会社(MNO)と比べると、回線が混雑する時間帯、特に昼休みや夕方の帰宅時間帯には、インターネットの読み込み速度が遅くなることがあります。動画を見たり、大きなファイルを送受信したりする際に、時間がかかったり、途切れたりする可能性があります。これは、MVNOは大手携帯会社の回線を借りてサービスを提供しているため、利用者が集中すると回線が混雑しやすくなるからです。
次に、携帯会社のメールアドレスについてです。docomo.ne.jpやezweb.ne.jpのような、大手携帯会社独自のメールアドレスは、MVNOでは基本的に使えません。そのため、これらのアドレスを使ってやり取りをしていた人は、別のメールアドレスを取得する必要があります。無料のメールサービスはたくさんありますが、アドレスが変わると、連絡先に登録し直してもらったり、様々なウェブサイトで登録情報を変更する手間がかかります。
さらに、大手携帯会社独自のサービスが使えない場合もあります。例えば、家族間で通話料が無料になるサービスや、特定の携帯電話と連携する特別な機能などは、MVNOでは利用できないことがあります。これらのサービスを頻繁に使っている人は、MVNOに乗り換える前に、どのサービスが利用できなくなるのかを確認しておく必要があります。
ただし、これらのデメリットはすべての格安携帯会社に当てはまるわけではありません。最近では、大手携帯会社とほとんど変わらないサービスを提供している格安携帯会社も増えてきています。料金の安さだけでなく、通信速度やサービス内容もよく確認してから、自分に合った携帯会社を選ぶことが大切です。
項目 | 注意点 |
---|---|
通信速度 | MVNOはMNOの回線を借りているため、混雑時(昼休み、夕方の帰宅時間帯など)に速度が遅くなる可能性がある。動画視聴や大容量ファイルの送受信に影響が出る場合も。 |
携帯会社のメールアドレス | docomo.ne.jp、ezweb.ne.jpといったMNO独自のメールアドレスは基本的に使えない。別のメールアドレスを取得し、連絡先への登録変更やWebサイトでの登録情報変更が必要。 |
大手携帯会社独自のサービス | 家族間通話無料、特定機種との連携機能など、MNO独自のサービスはMVNOで使えない場合がある。事前に利用不可のサービスを確認が必要。 |
料金 | MVNOは料金が安いことがメリット。ただし、通信速度やサービス内容も確認し、バランスを考慮して選ぶことが重要。 |
MVNOを選ぶ際の注意点
携帯電話会社を自分で選ぶ時代になりました。数ある選択肢から自分に合った会社を見つけるためには、いくつか注意しておきたい点があります。まず、通信の速さと安定性です。動画を見たり、情報を調べたりする際に、通信が遅かったり、途切れたりすると非常に不便です。自分がよく使う場所で、きちんと通信できるか、事前に調べておきましょう。インターネット上にある口コミや、速度を測るためのアプリを使えば、ある程度の目安が分かります。次に、料金の仕組みを比べることが大切です。使えるデータ量や、通話料金、追加で選べるサービスなどを比べて、自分の使い方に合ったものを選びましょう。例えば、あまり電話をかけない人であれば、通話料金が安い会社を選ぶ、といった具合です。また、困ったときに相談できる窓口の有無も確認しておきましょう。機械の不具合や、サービス内容について聞きたいことが出てきたときに、すぐに相談できる窓口があるかどうかは重要な点です。対応が丁寧で、分かりやすい説明をしてくれる会社だと安心です。最後に、自分の携帯電話が使えるかどうかを確認しましょう。最近では、どの会社でも使える携帯電話が増えてきましたが、一部の会社では、特定の機種でしか使えないサービスがある場合があります。これらの点に注意して、自分にぴったりの携帯電話会社を選び、快適な通信環境を手に入れましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
通信の速さと安定性 | 動画視聴や情報検索時の通信速度と安定性は重要。よく使う場所での通信状況を口コミや速度測定アプリで確認。 |
料金の仕組み | データ量、通話料金、追加サービスなどを比較し、自分の使い方に合ったプランを選ぶ。 |
相談窓口 | 機械の不具合やサービス内容に関する問い合わせ窓口の有無と対応の質を確認。 |
機種対応 | 自分の携帯電話が使えるか、特定の機種でしか使えないサービスがないかを確認。 |
今後の展望
これから先の携帯電話の契約を格安で提供する会社の市場は、さらに大きくなっていくと見られています。速い通信規格である第五世代移動通信方式の広まりに合わせて、格安の携帯電話会社も第五世代移動通信方式の扱いを始めており、これまで以上に速い通信ができるようになるでしょう。
また、あらゆる物がインターネットにつながる時代になり、たくさんの機器がインターネットにつながるようになることで、格安で通信を提供する会社の役割は、これまで以上に大切になっていくと考えられます。例えば、インターネットにつながる家電や身につける機器など、様々な機器が格安で通信を提供する会社の回線を使って通信を行うようになるでしょう。
さらに、格安の携帯電話会社は料金の安さだけでなく、独自の工夫で他社との違いを出す動きも出てきています。例えば、特定の応用ソフトの通信量を無料にするなど、利用者の求めに合わせた特別な仕組みを提供することで、他社に負けない力をつけていくと考えられます。
加えて、最近は、携帯電話の契約だけでなく、光回線や電気の契約といった、他の生活に必要なサービスとの組み合わせを販売する会社も増えてきています。これまで以上に幅広いサービスが提供されるようになり、利用者は自分に合ったサービスを選びやすくなると期待されます。
このように、格安携帯電話会社市場のこれから先は、常に変化し続け、より多くの種類のサービスが提供されるようになるでしょう。
ポイント | 詳細 |
---|---|
市場の拡大 | 5Gの広まりにより、格安携帯会社も5G対応を進めており、高速通信が可能になる。IoTの普及により、様々な機器が格安SIMを利用することで、格安SIM会社の役割は重要性を増す。 |
サービスの多様化 | 特定アプリの通信料無料化など、独自の工夫で他社との差別化を図る動きが出ている。 |
サービス連携の拡大 | 携帯電話契約だけでなく、光回線や電気契約など、他の生活サービスとのセット販売が増加。利用者は自分に合ったサービスを選びやすくなる。 |
将来展望 | 市場は変化し続け、より多様なサービスが提供されるようになる。 |