PPP:電話回線でインターネット接続
ITを学びたい
先生、「PPP」って、何のことですか?よく聞く言葉ですが、よく分かりません。
IT専門家
「PPP」は、電話回線を使ってインターネットに接続するための方法の一つだよ。昔、パソコンでインターネットを使う時によく使われていたんだ。
ITを学びたい
電話回線を使ってインターネットに接続する…ということは、今の光回線とかとは違うんですか?
IT専門家
そうだよ。光回線は光ファイバーを使うけど、「PPP」は電話線を使うんだ。今ではあまり使われなくなったけど、昔はダイヤルアップ接続といって、電話をかけるような音とともにインターネットに繋いでいたんだよ。
PPPとは。
『ピーピーピー』とは、電話線を使ってパソコンなどの機械をインターネットにつなぐ方法の一つです。よく電話でインターネットにつなぐ時に使われます。これは『ポイント・ツー・ポイント・プロトコル』の略です。
概要
電話回線を用いて機械同士を繋ぐ通信の決まり事の一つに、PPPと呼ばれるものがあります。正式には「地点間通信規約」と言い、二つの場所を直接繋ぐ通信の方法を指します。このPPPが登場する前は、電話回線を使った網への接続は大変難しく、設定も複雑でした。しかしながら、PPPのおかげで、機械と送受信機、そして電話回線さえあれば、誰もが手軽に網に接続できるようになったのです。
PPPは、主に電話を掛けて繋ぐ接続方法で使われていました。網の普及が始まった頃、多くの人が初めて網に触れるきっかけとなったのが、このPPPでした。今では、光回線や無線通信といった、より速く安定した通信手段が広く使われていますが、PPPも特定の地域や用途で未だに使われています。例えば、光回線が通っていない地域や、一時的に網に繋ぎたい時などには、PPPは手軽で費用も抑えられる接続方法として、今でもその価値を保っているのです。
PPPが広く使われていた時代、接続する度に独特の接続音が聞こえてきました。これは、送受信機が電話回線を通して相手に接続要求を送信し、相手が応答することで接続が確立される過程で発生する音でした。この音は、多くの人にとって網に繋がる高揚感と期待感の象徴だったと言えるでしょう。現代の高速な通信環境では、このような音はほとんど耳にすることがなくなりましたが、PPPは網の普及に大きく貢献し、現代の通信技術の礎を築いたと言えるでしょう。その手軽さと費用を抑えた利便性から、PPPは限られた場面ながらも、これからも使われ続けることでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
正式名称 | 地点間通信規約 |
概要 | 電話回線を用いて機械同士を繋ぐ通信の決まり事。二つの場所を直接繋ぐ通信方法。 |
メリット | 機械、送受信機、電話回線があれば手軽にネットワークに接続できる。手軽で費用も抑えられる。 |
利用状況 | 以前は広く利用されていた。現在は光回線や無線通信が主流だが、光回線が通っていない地域や一時的にネットワークに繋ぎたい時に利用される。 |
その他 | 接続時に独特の接続音が鳴っていた。ネットワーク普及に大きく貢献し、現代の通信技術の礎を築いた。 |
仕組み
電話線を使った電子情報のやり取りを実現する仕組み、PPPについて説明します。PPPは、いくつかの手順を踏むことで、本来音声を伝えるためのアナログ回線を使って、電子情報を送受信することを可能にしています。
まず、発信側の機械から送られる電子情報は、「モデム」と呼ばれる装置によって、電話回線が理解できるアナログ信号に変換されます。この変換された信号は、電話線を通って、受信側の機械に接続されたモデムへと送られます。受信側のモデムでは、届いたアナログ信号を再び電子情報へと変換し、接続された機械に届けます。このように、PPPは、電子情報とアナログ信号の相互変換を仲介することで、電話回線による電子情報の送受信を可能にしています。
PPPは、単に情報を送受信するだけでなく、通信を適切に管理するための様々な手順も定めています。例えば、通信を始めるときと終わるときには、接続の開始と終了を確実に行うための手順が定められています。これは、まるで電話をかける際に「もしもし」と言い、切る際に「失礼します」と言うように、通信の開始と終了を明確にすることで、安定した通信を実現するための重要な手順です。
さらに、PPPには、通信中に発生するエラーへの対処法も組み込まれています。通信中に情報が正しく伝わらなかった場合、PPPはエラーを検出し、修正する機能を持っています。また、送受信する情報を圧縮することで、通信速度の向上も図っています。そして、通信相手が正しい相手かどうかを確認する認証機能も備えています。これらの機能によって、PPPは、より確実で安全な電子情報のやり取りを実現しているのです。
利点
手軽にインターネットに接続できることが、PPPの最も大きな特長です。パソコンとモデム、そして電話回線さえあれば、特別な機器を用意したり、難しい設定をすることなく、誰もが簡単にインターネットを利用することができます。インターネットへの接続方法が複雑で敬遠していた人でも、PPPなら気軽に始められます。
PPPは、様々な種類のコンピューターや、コンピューターの基本的な操作方法を決める手順に対応しているため、多くの環境で使えます。パソコンの種類や手順が違っても、同じように接続できることは、PPPの大きな強みです。異なる機器や手順を使っている人同士でも、PPPを通じて円滑に情報をやり取りできます。この互換性の高さは、多くの利用者にとって、PPPを選ぶ大きな理由の一つと言えるでしょう。
PPPは、通信にかかる費用が比較的安いこともメリットです。インターネットに接続するための費用を抑えたい人にとって、PPPは魅力的な選択肢となります。特に、インターネットに一時的に接続したい場合や、送受信するデータ量が少ない場合は、費用対効果が非常に高くなります。短期間だけインターネットを使いたい、あるいはそれほど頻繁にデータのやり取りをしないといった場合、PPPは経済的な負担を軽減してくれるでしょう。
このように、PPPは、手軽さ、多くの環境で使えること、そして費用の安さという三つの大きな利点を持っています。そのため、様々な利用者のニーズに応えることができる、便利な接続方法と言えるでしょう。
PPPのメリット | 説明 |
---|---|
手軽さ | パソコン、モデム、電話回線があれば特別な機器や設定なしで簡単にインターネットに接続できる。 |
様々な環境で使える | 多様なコンピューターやOSに対応しており、異なる環境同士でも円滑に情報交換が可能。 |
費用の安さ | 通信費用が比較的安く、一時的な接続やデータ量が少ない場合に費用対効果が高い。 |
欠点
昔ながらの電話回線を使うPPPという仕組みには、いくつかの困った点があります。まず、通信の速さがとても遅いことが挙げられます。今の時代の光回線や無線通信は、まるで光の速さで情報をやり取りしていますが、PPPはそれに比べるとずっと遅く、大きな量のデータを送ったり受け取ったりするには、かなりの時間がかかってしまいます。例えば、大きな写真や動画を送る場合、何分も待たされることになるかもしれません。
次に、PPPを使っている間は、電話が使えなくなるという問題があります。インターネットに繋いでいる間は、電話回線がインターネットに使われてしまうため、電話がかかってきても受けられないのです。電話とインターネットを同時に使いたい人にとっては、これは大きな不便でしょう。まるで、道路を車が塞いでいるために、自転車が通れないようなものです。
さらに、PPPは回線の状態に影響されやすいという弱点も持っています。電話回線の状態が悪かったり、雑音が入ったりすると、インターネットへの接続が不安定になったり、切れてしまったりすることがあります。まるで、細い糸でインターネットに繋がっているようなもので、ちょっとしたことで切れてしまうのです。そのため、常に安定した通信が必要な人には、PPPはあまり向いていません。例えば、仕事の会議でビデオ通話をしたり、オンラインゲームをしたりする際には、PPPでは通信が途切れてしまう可能性があり、困ってしまうでしょう。
このように、PPPには通信速度の遅さ、電話との同時使用の不可、そして回線の状態への影響を受けやすさといった、いくつか克服できない欠点があります。そのため、現代の通信環境においては、PPPよりも優れた選択肢が多く存在します。
欠点 | 説明 | 例 |
---|---|---|
通信速度が遅い | 現代の光回線や無線通信に比べて非常に遅い。大きなデータの送受信に時間がかかる。 | 大きな写真や動画の送受信に数分かかる。 |
電話が使えなくなる | インターネット接続中は電話回線が使用されるため、電話の送受信ができない。 | 道路を車が塞いでいるため自転車が通れない状況。 |
回線の状態に影響されやすい | 電話回線の状態が悪いと、インターネット接続が不安定になったり切断されたりする。 | 細い糸でインターネットに繋がっているため、ちょっとしたことで切れてしまう。ビデオ通話やオンラインゲームには不向き。 |
まとめ
今では色々なインターネットの繋ぎ方がありますが、昔は電話線を使って繋ぐのが一般的でした。その時に使われていたのがPPPという繋ぎ方の手順書です。PPPは電話線を通して、パソコンとインターネットの間を取り持つ大切な役割を担っていました。まるで電話交換手のように、パソコンからの信号をインターネットに送ったり、インターネットからの信号をパソコンに送ったりしていたのです。PPPのお陰で、特別な装置を用意しなくても、家にある電話とパソコンだけでインターネットに繋ぐことができました。しかも、設定も簡単で、利用料金もそれほど高くありませんでした。
しかし、便利なPPPにも弱点がありました。それは、通信速度が遅いことと、インターネットを使っている間は電話が使えなくなることです。インターネットで大きな資料を受け取ろうとすると、何分も待たなければいけないこともありました。また、家族が電話を使いたくても、インターネットを使っている間は電話が話し中になってしまいます。まるで、一本の細い道に車が一台しか通れないようなものです。このため、もっと速く安定した繋ぎ方が求められるようになりました。
光回線や無線通信など、速くて便利な繋ぎ方が普及した現在では、PPPを使う人は少なくなりました。しかし、特別な機器を必要としない手軽さから、今でも特定の場面で使われています。たとえば、光回線などの工事ができない地域や、一時的にインターネットに繋ぎたい場合などです。PPPは、古い技術ではありますが、状況によっては今でも役に立つ繋ぎ方なのです。色々な繋ぎ方の特徴を理解することで、自分に合った最適なインターネットの繋ぎ方を選ぶことができます。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | PPP |
役割 | 電話線を通してパソコンとインターネットを繋ぐ手順 |
メリット | 特別な装置が不要、設定が簡単、利用料金が比較的安い |
デメリット | 通信速度が遅い、インターネット使用中は電話が使えない |
現状 | 光回線等の普及により利用者は減少、特定の場面(光回線工事不可地域、一時的な接続等)で使用 |