インターネットの住所:IPアドレス

インターネットの住所:IPアドレス

ITを学びたい

先生、「IP」ってなんですか? インターネット用語でよく聞くんですけど…

IT専門家

そうだね。「IP」は「インターネット・プロトコル」の略で、インターネットで情報を送るための手順や約束事のことだよ。住所を元に手紙を送るように、コンピュータ同士がデータのやり取りをするための住所のような役割を果たしているんだ。

ITを学びたい

住所のような役割…ということは、一つ一つ違うものなんですか?

IT専門家

その通り! インターネットに繋がっている機器はそれぞれ異なる「IPアドレス」を持っていて、このアドレスを使ってデータが正しい相手に届くようになっているんだよ。宛名のない手紙は相手に届かないのと同じだね。

IPとは。

インターネットで情報をやり取りするための手順、『IP』(アイピー)について説明します。IPは、インターネット上でデータを送るための標準的な方法で、住所にあたるIPアドレスを使って、決められた経路に限らずデータを小包のように分けて送ります。通常は、TCPという別の方法と組み合わせて、TCP/IPとして使われます。ちなみに、『IP』は『internet protocol(インターネット・プロトコル)』の頭文字です。

インターネットの仕組み

インターネットの仕組み

網の目状に世界中を結ぶ巨大な通信網、それがインターネットです。無数の計算機が繋がり、情報交換を常時行っています。では、どのようにして特定の計算機に情報を届け、受け取っているのでしょうか?それは、一人ひとりに異なる住所があるように、それぞれの計算機にも固有の番号が割り振られているからです。この番号こそが「識別住所」と呼ばれるものです。

手紙を送る場面を想像してみてください。宛先に住所を書き忘れたら、手紙は届きません。同様に、インターネット上で情報をやり取りする際にも、この識別住所が必要です。識別住所がないと、情報は迷子になり、目的の計算機に届かないのです。インターネットは、この識別住所を基盤とした通信方式によって成り立っています。

識別住所は、数字の組み合わせで表現されます。この数字の並びによって、世界中のどの計算機なのかが一意に特定されます。まるで、世界地図上で特定の場所を示す座標のようなものです。この仕組みにより、膨大な数の計算機が接続されたインターネットであっても、正確に情報を送受信できるのです。

インターネットは、単一の組織によって管理されているわけではありません。世界中の様々な機関が協力して、この巨大な通信網を維持・運用しています。まるで、世界中の人々が協力して巨大な織物を織り上げているかのようです。絶え間ない技術革新により、インターネットは日々進化を続け、私たちの生活に欠かせないものとなっています。これからも、インターネットは更なる発展を遂げ、世界中の人々を繋ぐ重要な役割を果たしていくことでしょう。

項目 説明
インターネットとは 網の目状に世界中を結ぶ巨大な通信網。無数の計算機が繋がり、常時情報交換を行っている。
情報の送受信方法 各計算機に割り振られた固有の番号(識別住所)を使用。手紙の住所のように、情報を送る相手の識別住所が必要。
識別住所とは 数字の組み合わせで表現される、計算機固有の番号。世界中のどの計算機なのかが一意に特定される。
インターネットの管理 単一の組織ではなく、世界中の様々な機関が協力して維持・運用。

データの運び方

データの運び方

情報のやり取りを行う際に、インターネット上では「小包」のようなものを使って情報を送っています。この小包は「パケット」と呼ばれ、送りたい情報を小さく分割したものです。一つ一つが小さく軽いので、様々な経路を通り、宛先に素早く確実に届けることができます。

これらのパケットには、送り主や宛先の住所のような情報が書き込まれています。インターネット上ではこの情報をもとに、様々な装置が協力してパケットをリレーし、宛先まで届けていきます。この仕組みは、手紙を細かく分けて、別々のルートで送り、最終的に宛先で組み立てるようなものです。

この方法の利点は、まず柔軟性が高いことです。一部の経路が混雑していても、他の空いている経路を使ってパケットを送ることができるので、渋滞に巻き込まれる心配がありません。また、複数の経路を同時に使えるため、全体としてデータ送信の速度も上がります

さらに、パケットがバラバラに送られることで、信頼性も確保されます。もし、途中で一部のパケットが紛失した場合でも、紛失したパケットだけを再送すれば済むので、全体のデータが確実に届くようになっています。全体をまとめて送る場合と比べて、再送の手間も少なく効率的です。このように、パケットを使うことで、インターネット上での情報のやり取りは、速く、効率的に、そして確実に行われるようになっています。

特徴 説明
パケット 情報を小包のように小さく分割したもの
送信方法 様々な経路で宛先へリレー
利点1(柔軟性) 経路混雑の影響を受けにくい
利点2(速度) 複数経路同時使用で高速
利点3(信頼性) パケット紛失時、紛失分のみ再送
まとめ 速く、効率的、確実な情報伝達

IPとTCPの関係

IPとTCPの関係

インターネット上で情報をやり取りするには、宛先を特定し、情報を確実に届ける仕組みが必要です。この仕組みを実現する上で重要な役割を担うのが、IPとTCPという二つの技術です。

IPは、インターネット上で情報を送る宛先を指定するための住所のようなものです。手紙を送る際に住所が必要なように、インターネット上でもデータの送受信には宛先の指定が不可欠です。IPはこの宛先情報を提供することで、データが正しい場所に届くように導きます。しかし、IPはデータが確実に届いたかどうかまでは保証しません。届かなかった場合の再送処理なども行いません。

そこで、データの信頼性確保のために活躍するのがTCPです。TCPは、送られたデータが全て無事に届き、内容に誤りがないかをチェックする役割を担います。例えるなら、手紙の内容確認のようなものです。送り主は手紙を送る際に、受取人に対して「無事に届いたか」「内容に問題はないか」を確認します。TCPも同様に、データが分割されて送られた際に、全てのパケットが順番通りに届いたか、内容に欠損がないかなどを確認し、もし問題があれば再送を要求します。

このように、IPが宛先を指定し、TCPがデータの信頼性を保証することで、インターネット上での確実な情報伝達が可能になります。IPが住所を記した封筒だとすれば、TCPはその中身の手紙が正しく届いたかを確認する担当者と言えるでしょう。この二つの技術の連携によって、私たちは安心してインターネットを利用できるのです。さらに、TCPは通信の安定性も保ちます。ネットワークの混雑状況に合わせてデータの送信速度を調整することで、通信が途切れたり遅延したりするのを防ぎます。これは、道路の混雑状況に合わせて車の速度を調整するようなものです。状況に応じて速度を調整することで、スムーズな流れを維持するのと同じように、TCPもデータの流れを調整することで、安定した通信を実現しています。

技術 役割 例え 特徴
IP インターネット上で情報を送る宛先を指定 住所を記した封筒 データが確実に届いたかどうかまでは保証しない
TCP データが全て無事に届き、内容に誤りがないかをチェック、通信の安定性を保つ 中身の手紙が正しく届いたかを確認する担当者 データの信頼性確保、通信の安定性維持

IPアドレスの種類

IPアドレスの種類

インターネット上の機器を識別する住所のようなもの、それが「インターネット・プロトコル・アドレス」、略して「アイピーアドレス」です。このアイピーアドレスには、大きく分けて二つの種類があります。

一つは、「アイピーバージョン4」です。現在、広く使われているのは、この「アイピーバージョン4」です。パソコンやスマホ、インターネットに繋がる色々な機器に、この「アイピーバージョン4」が使われています。しかし、「アイピーバージョン4」には、使える番号の数に限りがあるという問題があります。インターネットに繋がる機器が増え続ける中で、番号が足りなくなる恐れがあるのです。

そこで、新しい種類のアイピーアドレスとして開発されたのが、「アイピーバージョン6」です。「アイピーバージョン6」は、「アイピーバージョン4」と比べて、とてつもなく多くの番号を使うことができるように設計されています。例えるなら、「アイピーバージョン4」が小さな町内だけの電話番号だとすると、「アイピーバージョン6」は全世界の電話番号をカバーできるようなものです。これにより、今後、更に多くの機器がインターネットに繋がるようになっても、番号が足りなくなる心配はありません。

「アイピーバージョン4」と「アイピーバージョン6」の違いは、番号の数だけではありません。データのやり取りの方法も異なっています。「アイピーバージョン6」では、「アイピーバージョン4」よりもデータのやり取りをスムーズにするための工夫が凝凝らされています。また、セキュリティの面も強化されており、より安全にデータのやり取りを行うことができます。

このように、「アイピーバージョン6」は、将来のインターネットを支える重要な技術として、今後ますます普及していくと考えられています。とはいえ、現在主流の「アイピーバージョン4」も、すぐに無くなるわけではありません。しばらくの間は、二つの種類のアイピーアドレスが、インターネット上で共存していくことでしょう。

項目 IPv4 IPv6
利用状況 現在広く利用されている 今後普及が見込まれる
アドレス数 限りがある 非常に豊富
データのやり取り 従来の方法 スムーズなやり取り、セキュリティ強化

まとめ

まとめ

インターネット上で情報をやり取りするには、それぞれの機器を見分ける住所が必要です。この住所の役割を果たすのがインターネット・プロトコル・アドレス、略してIPアドレスです。世界中の人々が同時にインターネットを利用できるのは、このIPアドレスのおかげと言えるでしょう。

情報を送る際、データは小さなパケットと呼ばれる単位に分割されます。それぞれの荷物に宛先を書き、バラバラに送られた荷物が最終的に集まって元の情報が復元される仕組みです。この宛先に相当するのがIPアドレスです。宛先が分からなければ、情報は届きません。パケットの配送を管理し、確実に届けるための通信規約が伝送制御プロトコル、略してTCPです。TCPはパケットの順番や欠落をチェックし、確実に情報を届ける役割を担っています。

現在、広く使われているIPアドレスには二つの種類があります。IPv4と呼ばれる従来の形式と、IPv6と呼ばれる新しい形式です。IPv4はアドレスの数が限られていましたが、IPv6は桁数を増やすことで、ほぼ無制限にアドレスを割り振ることが可能になりました。インターネットに接続する機器が増え続ける現代において、IPv6への移行は重要な課題です。

IPアドレスを効率的に管理するための技術も進化しています。動的ホスト構成プロトコル、略してDHCPは、ネットワークに接続する機器に自動的にIPアドレスを割り当てる仕組みです。これにより、利用者は手動で設定する手間が省けます。また、ネットワーク・アドレス変換、略してNATは、限られた数のグローバルIPアドレスを複数の機器で共有するための技術です。これはセキュリティ向上にも役立ちます。インターネットの発展に伴い、IPアドレスに関わる技術は今後も進化し続け、より便利で安全な情報交換を支えていくでしょう。

用語 略称 説明
インターネット・プロトコル・アドレス IPアドレス 機器の住所の役割を果たす。
パケット データを分割した小さな単位。
伝送制御プロトコル TCP パケットの配送を管理し、確実に届けるための通信規約。
IPv4 従来のIPアドレス形式。アドレス数が限られている。
IPv6 新しいIPアドレス形式。ほぼ無制限にアドレスを割り振れる。
動的ホスト構成プロトコル DHCP 自動的にIPアドレスを割り当てる仕組み。
ネットワーク・アドレス変換 NAT 限られた数のグローバルIPアドレスを複数の機器で共有するための技術。