橋渡し役:ブリッジの役割
ITを学びたい
先生、「ブリッジ」って、どういう意味ですか?
IT専門家
そうですね。「橋渡し」を意味する言葉で、複数のネットワークを繋ぐ機器のことを指します。例えば、同じ種類のネットワーク同士を繋いで、より大きなネットワークを作る時に使います。
ITを学びたい
複数のネットワークを繋ぐということは、ルーターと同じような役割ですか?
IT専門家
ルーターとは少し違います。ルーターは異なる種類のネットワークを繋ぐのに対し、ブリッジは同じ種類のネットワーク同士を繋ぎます。同じ種類のネットワークを繋ぐことで、通信の効率を上げることができるのです。
bridgeとは。
コンピューターのネットワークをつなぐ機器である『橋渡し』について説明します。
橋渡し装置とは
橋渡し装置、いわゆる橋は、複数の計算機の網を繋ぎ、情報のやり取りを仲立ちする機器です。異なる種類の網や、同じ種類の網でも異なる仕組みの網を繋ぐために使われます。
たとえば、建物の中で階ごとに異なる網を繋いだり、異なる種類の線を使う網を繋いだりするときに役立ちます。建物の各階に設置された網を橋渡し装置で繋ぐことで、各階の計算機は階を跨いで情報のやり取りを行うことができます。また、光ファイバーの線を使う網と、銅線の線を使う網を繋ぐことも可能です。橋渡し装置は、網の種類や線材の違いを吸収し、異なる網をあたかも一つの網のように機能させることができます。
この装置は、網を分割することで情報の渋滞を緩和し、網全体の働きを良くします。網を分割することで、それぞれの網の中を流れる情報量が減り、結果として網全体の処理速度が向上します。これは、道路に例えると分かりやすいでしょう。一つの大きな道路にすべての車が集中すると渋滞が発生しますが、道路を複数に分割し、それぞれの道路に車を分散させることで、全体的な交通の流れがスムーズになります。橋渡し装置もこれと同じように、網を分割し情報を分散させることで、網全体の性能を向上させます。
また、網の範囲を広げるためにも使われます。異なる網の区切りを繋ぐことで、より多くの計算機を網に繋ぐことが可能になります。小さな網を複数繋げて大きな網を作ることで、多くの計算機が一つの網で繋がることができ、情報の共有や共同作業が容易になります。このように、橋渡し装置は網の使い勝手の良さと広げやすさを高める上で重要な役割を担っています。
機能 | 説明 | 例 |
---|---|---|
異なる網の接続 | 異なる種類の網や、同じ種類の網でも異なる仕組みの網を繋ぐ。 | 建物内の階ごとの異なる網の接続、光ファイバーと銅線の網の接続 |
情報の渋滞緩和 / 性能向上 | 網を分割することで、それぞれの網の中を流れる情報量が減り、結果として網全体の処理速度が向上する。 | 道路を複数に分割して交通の流れをスムーズにすることと同様。 |
網の範囲拡大 | 異なる網の区切りを繋ぐことで、より多くの計算機を網に繋ぐことが可能になる。 | 小さな網を複数繋げて大きな網を作る。 |
中継器との違い
橋渡し機と中継器は、どちらも情報のやり取りを助ける機器ですが、その働きには大きな違いがあります。中継器は、遠くまで情報を届けるために、弱くなった信号を強くする装置です。電気を増幅することで、情報の伝わる距離を伸ばします。しかし、中継器は情報の見た目や内容には関わりません。ただひたすら、受け取った信号をそのまま強くして送り出すだけです。届けられた情報が誰に向けたものか、あるいは何の情報なのかといったことは、中継器には分かりません。
一方、橋渡し機は情報の宛先を見て、必要な場所にだけ情報を送る賢い装置です。それぞれの情報がどこに向かうべきかを判断し、適切な経路を選んで送り届けます。例えるなら、手紙を配達する郵便局員のような役割です。宛名を確認し、正しい住所に手紙を配達することで、無駄な手紙のやり取りを減らし、配達全体の効率を高めます。また、橋渡し機は情報の交通整理も行います。複数の経路がある場合、情報の混雑状況を見て、スムーズに情報が流れるように経路を切り替えます。これにより、情報の渋滞を防ぎ、通信速度の低下を防ぎます。このように、橋渡し機は中継器よりも高度な機能を持ち、情報のやり取りをより効率的に行うことができます。中継器は単に信号を増幅するだけですが、橋渡し機は情報の宛先を理解し、必要な情報だけを届けることで、無駄な情報の流通を減らし、通信全体の効率を高めるのです。
項目 | 中継器 | 橋渡し機 |
---|---|---|
機能 | 信号の増幅、伝送距離の延長 | 情報の宛先確認、適切な経路選択、情報の交通整理 |
情報の取扱い | 内容に関わらず、受け取った信号をそのまま増幅 | 宛先を見て、必要な場所にだけ情報を送る |
役割の例え | – | 郵便局員 |
高度さ | 単純 | 高度 |
仕組みと働き
橋渡し機は、繋げた網の各部分にある全ての機器の固有の住所を覚えます。この住所を基に、どの機器がどの部分に属しているかを表す一覧表を作ります。この一覧表は、宛名帳のようなものです。データが届くと、橋渡し機はそのデータの宛名、つまり宛先住所を確認し、作成した一覧表と照らし合わせます。もし宛先住所が同じ網の部分に存在する場合は、そのデータは既に届いている場所なので、橋渡し機はデータを転送しません。宛先住所が異なる網の部分にある場合のみ、橋渡し機は該当する部分にデータを送ります。例えば、東京にある機器から大阪にある機器にデータを送る場合、橋渡し機は東京と大阪の間を取り持ち、データを適切な経路で送ります。このように、橋渡し機は住所に基づいてデータの受け渡しを管理することで、網全体の混雑を緩和し、各部分の処理能力を上げます。無駄なデータの拡散を防ぎ、網の安定性を保つ役割も担います。これは、大勢の人が行き交う場所に案内係を配置し、人々をスムーズに目的地へ案内するような働きです。橋渡し機があることで、網全体が効率的に機能し、各機器は必要なデータだけを受け取ることが可能になります。無駄なデータのやり取りが減ることで、網の速度と安定性が向上するのです。
利点と欠点
橋渡し機を使うと、良い点と悪い点があります。まず良い点としては、情報の行き来を分けることで全体の負担を軽くし、より多くの機器を使えるようにすることが挙げられます。繋がっている部分を分割することで、それぞれの場所でやり取りされる情報の量を減らすことができます。たとえば、会社全体で一つの大きな繋がりではなく、部署ごとに小さな繋がりを作ると、それぞれの部署内での情報のやり取りはスムーズになります。全体の情報量は変わりませんが、それぞれの部署が扱う情報量は少なくなります。また、分割した繋がりを橋渡し機で繋ぐことで、全体として繋がる機器の数を増やすことができます。
しかし、橋渡し機には悪い点もあります。情報のやり取りを処理するため、繋がりが遅くなることがあります。橋渡し機は情報の行き先を確認して適切な場所に送るため、この処理に時間がかかります。たとえば、手紙を宛先ごとに仕分ける作業を想像してみてください。仕分け作業がある分、手紙が届くまでに時間がかかります。また、橋渡し機自体が壊れると、繋がっている複数の部分が影響を受けます。これは、手紙の仕分け担当者が休んでしまうと、手紙の配達が滞ってしまうようなものです。さらに、橋渡し機は、より高性能な繋ぎ替え機と比べると、できることが限られています。繋ぎ替え機は、情報の行き先を素早く判断したり、特定の機器への情報のやり取りを優先したりできますが、橋渡し機にはそのような高度な機能はありません。これは、手紙の仕分け担当者が、普通の郵便物と速達郵便物を区別できないようなものです。このように、橋渡し機を使う際には、良い点と悪い点の両方を考慮する必要があります。
項目 | 内容 | 例え |
---|---|---|
良い点 | 全体の負担を軽くし、より多くの機器を使える | 会社全体で一つの大きな繋がりではなく、部署ごとに小さな繋がりを作る |
繋がっている部分を分割することで、それぞれの場所でやり取りされる情報の量を減らす | それぞれの部署内での情報のやり取りはスムーズになる | |
悪い点 | 情報のやり取りを処理するため、繋がりが遅くなる | 手紙を宛先ごとに仕分ける作業 |
橋渡し機自体が壊れると、繋がっている複数の部分が影響を受ける | 手紙の仕分け担当者が休んでしまうと、手紙の配達が滞る | |
繋ぎ替え機と比べると、できることが限られている | 手紙の仕分け担当者が、普通の郵便物と速達郵便物を区別できない |
具体的な使用例
橋渡し装置は、様々な場所でネットワークをつなぐために使われています。例えば、会社の建物で、異なる階のネットワークを一つにまとめる際に役立ちます。また、工場でも、異なる製造ラインのネットワークを接続するために使われます。
橋渡し装置は、大きなネットワークを小さな区画に分けて管理するのにも役立ちます。大きなネットワークをそのまま管理するのは大変ですが、橋渡し装置を使うことで、小さな区画に分けて管理しやすくなります。それぞれの区画で問題が起きても、他の区画には影響が出にくくなるため、ネットワーク全体の安定性を高めることができます。
無線で繋がる機器と有線で繋がる機器を接続する際にも、橋渡し装置が活躍します。最近は、無線で繋がる機器が増えてきていますが、従来の有線で繋がる機器とつなぐためには、何か工夫が必要です。その工夫の一つとして、橋渡し装置が用いられます。無線で繋がる機器の接続点には、たいてい橋渡し機能が備わっています。この機能のおかげで、無線で繋がる機器と有線で繋がる機器を、意識することなく繋げられます。
例えば、家庭でも無線で繋がるインターネット接続機器に、有線で繋がるパソコンやゲーム機を接続する場合、この橋渡し機能が働いています。インターネット接続機器は、外部との通信を無線で行いつつ、家庭内の機器とは有線で繋がっています。ユーザーは、無線か有線かを意識することなく、インターネットに接続することができます。このように、橋渡し装置は、様々なネットワーク環境で機器を繋げるための柔軟な方法を提供し、ネットワークを効率的に使えるようにしています。
橋渡し装置を使うことで、異なる種類のネットワークを繋げたり、大きなネットワークを管理しやすくしたり、無線と有線の機器を繋げたりすることができます。このように、橋渡し装置は、現代のネットワークには欠かせない重要な役割を担っています。
橋渡し装置の役割 | 説明 | 例 |
---|---|---|
異なるネットワークの接続 | 様々な場所でネットワークを繋ぐ | 会社の異なる階のネットワーク接続、工場の異なる製造ラインのネットワーク接続 |
ネットワークの分割管理 | 大きなネットワークを小さな区画に分けて管理しやすくする、ネットワーク全体の安定性向上 | ー |
無線と有線の接続 | 無線機器と有線機器の接続 | 家庭のインターネット接続機器へのパソコンやゲーム機の接続 |