INSネット1500を詳しく解説

INSネット1500を詳しく解説

ITを学びたい

先生、「INSネット1500」って、何ですか?

IT専門家

いい質問だね。「INSネット1500」は、昔、NTTが提供していた電話回線の一種だよ。今では使われていないけど、インターネットなどに接続するために使われていたんだ。

ITを学びたい

今のインターネット回線と何が違うんですか?

IT専門家

INSネット1500は、デジタル回線だけど、速度は今の光回線などに比べるとずっと遅かったんだよ。1500っていう数字は、通信速度を表していて、毎秒1500キロビットという意味なんだ。今の光回線は毎秒数百メガビットとか、ギガビットだからね。

INSネット1500とは。

情報技術に関する用語「アイ・エヌ・エス ネット 1500」(エヌ・ティ・ティが提供する総合デジタル通信網の商用サービスの一つ。アイ・エヌ・エス ネットともいう。)について

概要

概要

電話会社として知られるエヌ・ティ・ティが過去に提供していたアイ・エス・ディー・エヌという仕組みを使ったインスネット1500という通信サービスがありました。アイ・エス・ディー・エヌとは、統合サービスデジタル網の略で、音声と様々な情報を一つの回線で同時にやり取りできる技術のことです。この技術を活用したインスネット1500は、それまでの通信速度と比べて非常に速いデジタル通信を可能にしました。

インスネット1500では、一つの電話番号で最大二つの回線が使え、それぞれの回線で最大毎秒128キロビットという速度で情報を送受信できました。当時の主流であったアナログ回線と比べると、この速度は段違いに速く、インターネットの普及に大きく貢献しました。まるで細い管から太い管に変わり、一度にたくさんの水を流せるようになったようなものです。

また、インスネット1500は音声通話もデジタル化することで、クリアな音質を実現しました。従来のアナログ回線では、雑音やノイズが混じることもありましたが、デジタル化によってクリアで聞き取りやすい音声通話が可能になったのです。まるで濁った水から澄んだ水に変わったような変化でした。

さらに、インスネット1500は一つの回線で情報通信と音声通話を同時に行うことができました。これは画期的なことで、例えばインターネットを使いながら電話で話すといったことが可能になりました。複数の作業を同時に行えるようになり、通信の便利さを格段に向上させました。このように、インスネット1500は速い情報通信とクリアな音声通話を兼ね備えた、当時としては非常に画期的なサービスだったのです。

サービス名 技術 特徴 メリット
インスネット1500 ISDN (統合サービスデジタル網)
  • 一つの電話番号で最大二回線
  • 最大速度: 128kbps/回線
  • デジタル通信
  • 音声通話もデジタル化
  • 情報通信と音声通話の同時利用可能
  • 高速なデジタル通信
  • クリアな音質
  • 同時利用による利便性向上

提供の背景

提供の背景

かつて、情報のやり取りはアナログ回線に頼っていました。しかし、アナログ回線には、いくつかの難点がありました。まず、情報の送受信速度が遅く、特に画像や動画のような大きなデータを送るには長い時間が必要でした。加えて、音声通話においても、雑音や途切れが生じるなど、質の面で十分とは言えませんでした。

時代は流れ、計算機技術の進歩と共に、デジタル通信技術も大きく発展しました。これに伴い、より速く、より質の高い情報のやり取りを求める声が大きくなりました。このような社会の要望に応えるため、電電公社(現 日本電信電話株式会社)はISDN技術を応用した新しい通信網、「INSネット1500」を開発し、提供を開始しました。

INSネット1500は、それまでのアナログ回線の持つ欠点を克服し、人々にとって画期的な通信手段となりました。デジタル化により、高速で安定したデータ通信が可能になり、以前よりも快適に情報交換ができるようになりました。また、クリアな音声通話も実現し、円滑なコミュニケーションを支えました。

INSネット1500の登場は、ちょうど情報網の普及期と重なりました。多くの人々が情報網を利用し始める中で、INSネット1500は情報網への接続手段としても広く普及しました。そして、INSネット1500は、日本の情報化社会の進展に大きく貢献することになったのです。

時代 技術 特徴 課題
過去 アナログ回線
  • 送受信速度が遅い
  • 雑音や途切れが多い
現在 INSネット1500
(ISDN技術応用)
  • 高速で安定したデータ通信
  • クリアな音声通話

サービス内容

サービス内容

この通信サービス、INSネット1500の主な特長は、速い情報通信とクリアな音声通話です。まず、情報通信についてご説明します。このサービスは最大毎秒12万8千ビットという、当時の似たような通信方法に比べて段違いに速い通信速度を誇っていました。そのため、大きな資料のやり取りや、快適に情報を集められる場所への接続を可能にしました。容量の大きな動画や音声もストレスなく送受信できたため、仕事の効率化はもちろん、趣味の活動にも役立ちました。

次に、音声通話についてです。このサービスの音声通話は、音を数字の情報に変換する技術が使われていました。そのおかげで、雑音や途切れの少ない、クリアな音声で通話することができました。まるで相手がすぐ隣にいるかのような、自然で聞き取りやすい通話品質を提供しました。これにより、遠方の家族や友人との会話もよりスムーズになり、ビジネスシーンでも円滑なコミュニケーションを図ることができました。

さらに、INSネット1500は一つの回線で情報通信と音声通話を同時に行うことができました。今でこそ当たり前の機能ですが、当時は画期的な技術でした。情報を集められる場所で調べ物をしながら電話で話す、といったことが可能になったのです。これは、当時の他の通信方法ではできなかったことで、通信の便利さを大きく向上させました。例えば、仕事の資料を見ながら電話で会議に参加する、インターネットでレシピを調べながら料理の相談をする、といったことが可能になり、人々の生活をより豊かにしました。このように、INSネット1500は速い情報通信とクリアな音声通話を一つの回線で実現した、とても便利なサービスでした。

特長 詳細 メリット
高速情報通信 最大毎秒12万8千ビットの通信速度 大きな資料のやり取り、快適な情報収集、動画や音声のストレスのない送受信、仕事の効率化、趣味の活動の充実
クリアな音声通話 音をデジタルデータに変換する技術により、雑音や途切れが少ないクリアな音声 まるで相手がすぐ隣にいるかのような自然で聞き取りやすい通話品質、遠方とのスムーズな会話、円滑なビジネスコミュニケーション
同時利用 一つの回線で情報通信と音声通話を同時に行う 調べ物をしながら電話で話す、資料を見ながら電話会議、レシピを調べながら料理相談など、通信の利便性向上、生活の質向上

利用方法

利用方法

「アイ・エヌ・エス網1500」を利用するには、まず「専用端末接続機器」が必要でした。この機器は、電話回線とパソコンなどの機器をつなぐための装置で、文字や音声のやり取りを可能にするための橋渡し役を担っていました。利用者は、この「専用端末接続機器」を自宅や職場に設置し、電話回線に接続することでサービスを利用できました。

さらに、「アイ・エヌ・エス網1500」を利用するには、電話会社との契約が必須でした。契約手続きは電話や窓口で行うことができ、利用開始までは通常数日程度かかりました。

利用料金は、基本料金に加えて通話料と文字などのやり取りにかかる通信料から成っていました。料金体系は、利用時間や通信量に応じて細かく設定されており、利用者は自分の使い方に合ったプランを選ぶことができました。例えば、よく電話をかける人は通話料の安いプラン、インターネットをよく使う人は通信料の安いプランを選ぶことができました。

「専用端末接続機器」には、電話機やファクシミリを接続することもできました。これにより、電話やファクシミリを同時に利用することが可能になり、大変便利でした。また、複数の機器を接続できる機種もあり、家族や職場で複数の人が同時にインターネットを利用することもできました。

このように、「アイ・エヌ・エス網1500」は当時としては画期的な通信サービスであり、多くの家庭や企業で利用されていました。しかし、その後、より高速で便利な通信サービスが登場したため、次第に利用者が減っていきました。

項目 説明
利用に必要な機器 専用端末接続機器(電話回線とパソコンなどを接続)
契約 電話会社との契約が必要(電話または窓口で手続き、数日程度で利用開始)
料金体系 基本料金 + 通話料 + 通信料
利用時間・通信量に応じたプラン選択が可能
接続可能機器 電話機、ファクシミリ
複数機器接続可能な機種もあり

その後の展開

その後の展開

情報通信網1500は、その後どのような道をたどったのでしょうか。より速く、多くの情報を送ることができる広帯域回線が登場したことが、大きな転換点となりました。非対称デジタル加入者線や光ファイバーといった広帯域回線は、情報通信網1500よりもずっと速く情報を送ることができました。しかも、利用料金は情報通信網1500よりも安いという利点がありました。そのため、多くの利用者がこれらの新しい回線サービスへと乗り換えていったのです。

こうした流れの中で、情報通信網1500の利用者は徐々に減っていき、ついに2024年1月31日をもってサービスを終了しました。かつては画期的な高速データ通信を実現し、情報網の普及に大きく貢献した情報通信網1500でしたが、技術の進歩には勝てず、その役割を終えることになったのです。

とはいえ、情報通信網1500が日本の情報通信技術の発展に果たした役割は非常に大きいものでした。情報網が広く人々に使われるようになるまでには、様々な技術開発やサービスの提供がありました。その中で、情報通信網1500は重要な役割を担っていたのです。その功績は、現在でも高く評価されています。情報通信網1500は、未来の通信技術の土台を築いた、まさに先駆けとなるサービスだったと言えるでしょう。

情報通信網1500 広帯域回線(ADSL, 光ファイバー)
速度: 低速 速度: 高速
料金: 高い 料金: 安い
利用者: 減少 (2024年1月31日サービス終了) 利用者: 増加
日本の情報通信技術発展に貢献 情報通信網1500の役割を引き継ぎ、発展を継続