パソコンの心臓を守る、CPUファンの役割
ITを学びたい
先生、『CPUファン』ってなんですか?
IT専門家
CPUファンは、パソコンの頭脳であるCPUを冷やすための小さな扇風機のようなものだよ。CPUはたくさんの計算をするので、熱くなってしまうんだ。そこで、CPUファンが風を送って冷やしてあげることで、パソコンが正常に動くようにしているんだよ。
ITを学びたい
なるほど。扇風機みたいで、CPUを冷やすんですね。でも、どうしてCPUは熱くなるんですか?
IT専門家
CPUは、電気を使ってすごい速さで計算をしているから、その時に熱が発生するんだよ。電気をたくさん使うと熱くなるのは、電球やストーブと同じだね。CPUファンは、その熱を逃がす役割をしているんだ。
CPUファンとは。
情報処理の分野で出てくる『中央処理装置冷却装置』の中の『送風式冷却装置』について説明します。小型の扇風機を使って、中央処理装置の熱を外に逃がす仕組みになっています。
はじめに
今や、私たちの暮らしに欠かせないものとなったパソコン。仕事で書類を作成したり、学習に役立てたり、あるいは趣味の動画編集やゲームを楽しんだりと、様々な用途で使われています。パソコンが様々な作業を滞りなく行うためには、パソコンの頭脳とも言える中央処理装置、いわゆるCPUの働きが重要です。このCPUの処理速度が速ければ速いほど、たくさんの作業を短い時間でこなせるようになります。しかし、処理速度が速くなると、CPUはより多くの熱を発生させてしまいます。ちょうど、私たちが激しい運動をした時に体が熱くなるのと同じように、CPUも多くの仕事をこなすと熱くなるのです。
もしCPUが過度に熱くなってしまうと、パソコンの動作が不安定になったり、最悪の場合、故障してしまうこともあります。人間も高い熱が出続けると体に不調をきたすように、パソコンにとってもCPUの過熱は大敵です。そこで、CPUの温度を適切に保ち、パソコンを安定して動作させるために必要となるのが、CPU冷却装置です。CPU冷却装置は、CPUから発生する熱を効率的に逃がす役割を担っています。様々な種類の冷却装置がありますが、その中でも代表的なものがCPUファンです。CPUファンは、小さな扇風機のように羽根を回転させることで、CPUの周りの空気を循環させ、熱を外部に放出します。CPUファンは、パソコン内部に組み込まれており、パソコンを快適に利用するために静かに、そして力強く働いているのです。いわば、パソコンにとっての涼風、なくてはならない存在と言えるでしょう。
CPUファンの仕組み
中央処理装置は、電子計算機の頭脳にあたる重要な部品ですが、動作中にたくさんの熱を発生させます。この熱を適切に処理しないと、計算機が不安定になったり、故障の原因となったりします。そこで活躍するのが中央処理装置冷却器で、その中心となるのが、今回説明する中央処理装置冷却用の送風機です。
この送風機は、小さな羽根車を高速で回転させることで風を起こし、中央処理装置から発生する熱を運び出す役割を担います。風を送る先は、中央処理装置の上に取り付けられた放熱板です。この放熱板は、熱をよく伝える金属でできており、表面積を広くとることで、効率的に熱を空気に逃がす設計になっています。
放熱板の表面に送風機の風が当たることで、熱は空気中に移動し、中央処理装置の温度上昇を抑えることができます。放熱板と送風機はセットで中央処理装置冷却器と呼ばれ、計算機の安定動作に欠かせない重要な部品です。
送風機の回転速度は、中央処理装置の温度に応じて自動的に調整されます。中央処理装置の温度が低いときは、送風機の回転数を抑えて静音性を高め、温度が高くなると回転数を上げて冷却能力を高めます。このように、常に最適な冷却効果を保つことで、計算機を安定して動作させることができます。
中央処理装置冷却器には、送風機以外にも、液体を用いて冷却するものなど様々な種類があります。計算機の用途や性能に合わせて適切な冷却器を選ぶことが大切です。
CPUファンの種類
処理装置の冷却装置には、大きく分けて空気冷却と液体冷却の二種類があります。空気冷却は、現在主流となっている冷却方式で、多くの機械に採用されています。仕組みは簡単で、装置に取り付けた冷却装置にある羽根を回し、装置から発生する熱を空気に乗せて外部に逃がす仕組みです。この冷却装置は比較的値段が安く、設置も容易なため、広く利用されています。しかし、装置から出る熱が大きい場合や、機械を小型化したい場合には、冷却能力に限界があるため注意が必要です。
一方、液体冷却は、専用の液体を循環させて処理装置の熱を吸収し、外部に放出する冷却方式です。空気冷却に比べて冷却効率が高く、静音性にも優れているという利点があります。高性能な処理装置を搭載した機械や、処理速度を向上させる改造を施した機械によく使われています。ただし、空気冷却に比べて装置の構造が複雑で、初期費用も高くなります。また、定期的な部品交換や液体の補充などの維持管理も必要となるため、導入にはある程度の知識と手間がかかります。
冷却装置の形状や大きさも様々です。機械の大きさや処理装置の熱量に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。冷却装置を選ぶ際には、設置スペースの確認や、処理装置の消費電力、冷却装置の性能などを考慮する必要があります。冷却が不十分だと、処理装置の性能が低下したり、最悪の場合故障の原因となるため、適切な冷却装置を選ぶことは機械を安定して動作させる上で非常に重要です。
項目 | 空気冷却 | 液体冷却 |
---|---|---|
仕組み | ファンで発生した風で熱を逃がす | 液体を循環させて熱を吸収・放出 |
メリット | 安価、設置が容易 | 高冷却効率、静音性 |
デメリット | 冷却能力に限界あり | 高コスト、複雑な構造、メンテナンス必要 |
用途 | 一般的な機械 | 高性能、改造した機械 |
CPUファンの選び方
中央演算処理装置の冷却装置である送風機を選ぶ際には、いくつかの大切な点に注意する必要があります。冷却装置は、パソコンの心臓部である中央演算処理装置を適切な温度に保つという重要な役割を担っています。冷却が不十分だと、処理速度の低下や最悪の場合、故障につながる可能性があります。
まず、冷却能力についてです。冷却能力は主に送風機の風量と、熱を逃がす金属部品の大きさで決まります。風量が大きいほど、多くの熱を運び去ることができます。また、金属部品の表面積が大きいほど、熱を効率的に放熱することができます。高性能の中央演算処理装置を使用している場合や、パソコンで高負荷な作業を行うことが多い場合は、冷却能力の高い送風機を選ぶことが重要です。
次に、静音性についてです。送風機は回転することで風を発生させるため、どうしても動作音が発生します。静音性を重視する場合は、送風機の回転数と軸受けの種類に注目しましょう。回転数が低いほど、動作音は静かになります。軸受けの種類も静音性に影響を与えます。滑らかな回転で知られる流体軸受けは、比較的静かな動作音を実現します。
さらに、価格も重要な要素です。冷却装置は、数千円から数万円まで幅広い価格帯で販売されています。予算に合わせて適切な製品を選びましょう。高価な製品ほど高性能であることが多いですが、自分の使用環境に合った製品を選ぶことが大切です。
最後に、パソコン本体の箱との適合性も確認する必要があります。冷却装置の大きさが本体の箱に収まらない場合、取り付けができません。購入前に、パソコン本体の箱の説明書を確認し、対応している冷却装置の大きさ、特に高さを確認しましょう。冷却装置によっては、メモリーや拡張カードとの干渉に注意する必要があるものもあります。
項目 | 詳細 | ポイント |
---|---|---|
冷却能力 | 風量と熱を逃がす金属部品の大きさで決まる | 高性能CPUや高負荷作業には冷却能力の高いものを |
静音性 | 送風機の回転数と軸受けの種類に影響される | 回転数が低い、流体軸受けなどを選ぶ |
価格 | 数千円から数万円まで幅広い | 予算と使用環境に合わせて選ぶ |
適合性 | パソコン本体の箱との適合性を確認 | 大きさ(特に高さ)、メモリ・拡張カードとの干渉に注意 |
CPUファンの取り付け
中央処理装置冷却装置を取り付ける作業は、冷却装置の種類によって手順が異なります。大きく分けて、空冷式と水冷式があります。
空冷式の場合、まず熱を逃がす金属製の部品を中央処理装置の上に固定します。この部品と中央処理装置の間には、熱をよく伝えるための特別な油を塗る必要があります。油はつけすぎても少なすぎても効果が薄れるため、適量を塗ることが大切です。金属部品を固定したら、その上に風を送るための装置を取り付けます。装置を固定するための留め具は、機種によって異なるので、説明書をよく読んでから作業を進めましょう。
水冷式の場合は、冷却用の液体を循環させるための装置や、液体を冷やすための装置など、複数の部品を取り付ける必要があります。空冷式に比べて部品が多く、配線も複雑になるため、作業の手順は空冷式よりも複雑です。中央処理装置に取り付ける部品以外にも、装置本体に取り付ける部品や、配線が必要な部品もあります。それぞれの部品の取り付け位置や配線方法は、製品によって大きく異なるため、必ず説明書をよく読んでから作業を行いましょう。冷却装置の種類に関わらず、中央処理装置冷却装置の取り付けは、計算機の安定動作に直結する重要な作業です。手順を間違えると、計算機が正常に動作しなくなる可能性もあります。焦らず丁寧に作業を行い、疑問点があれば説明書を確認するか、詳しい人に相談しながら進めるようにしましょう。
CPUファンのメンテナンス
中央演算処理装置の冷却装置は、計算機の心臓部である中央演算処理装置を冷やす重要な役割を担っています。この装置は、稼働中に熱を発するため、装置の寿命や安定性を保つためには冷却が不可欠です。しかし、長期間使用していると、空気中の塵埃が冷却装置に蓄積し、冷却能力を低下させることがあります。冷却能力の低下は、計算機全体の動作速度の低下や、最悪の場合、装置の故障に繋がる可能性があります。
そのため、定期的な清掃が必要です。具体的には、掃除機やエアダスターを用いて、冷却装置の羽根や放熱板に付着した塵埃を丁寧に除去します。掃除機を使用する際は、装置を傷つけないよう、適度な吸引力で使用することが大切です。エアダスターは、ピンポイントで塵埃を除去できるので、細かい部分の清掃に効果的です。ただし、噴射ガスが冷却装置に付着しないよう、注意が必要です。
また、冷却装置と中央演算処理装置の間には、熱伝導を助ける油状の物質が塗布されています。この物質も時間の経過と共に劣化し、熱伝導率が低下することがあります。冷却効果を維持するためには、この物質も定期的に交換する必要があります。交換の際は、古い物質をきれいに拭き取り、新しい物質を均一に薄く塗布します。厚く塗りすぎると、かえって熱伝導率が低下する可能性があるので、注意が必要です。
中央演算処理装置の冷却装置の適切な清掃と油状の物質の交換は、中央演算処理装置の性能維持だけでなく、計算機全体の寿命を延ばすことにも繋がります。これらの作業は、一見すると難しそうに思えますが、手順を正しく理解すれば、比較的容易に行うことができます。定期的な清掃と交換を心掛け、快適な計算機環境を維持しましょう。
項目 | 詳細 | 対策 |
---|---|---|
塵埃の蓄積 | 空気中の塵埃が冷却装置に蓄積し、冷却能力を低下させる。冷却能力の低下は、計算機全体の動作速度の低下や、最悪の場合、装置の故障に繋がる。 | 掃除機やエアダスターを用いて、冷却装置の羽根や放熱板に付着した塵埃を丁寧に除去する。 |
油状物質の劣化 | 冷却装置と中央演算処理装置の間には、熱伝導を助ける油状の物質が塗布されている。この物質も時間の経過と共に劣化し、熱伝導率が低下する。 | 古い物質をきれいに拭き取り、新しい物質を均一に薄く塗布する。厚く塗りすぎると、かえって熱伝導率が低下する可能性があるので、注意が必要。 |