パソコンの起動を支える基本入出力システム
ITを学びたい
先生、『基本入出力システム』って、何ですか?
IT専門家
いい質問だね。コンピュータの電源を入れた直後に動く、一番基本的なプログラムのことだよ。パソコンに例えると、人間でいう脳や心臓のような、なくてはならないものなんだ。
ITを学びたい
脳や心臓みたい…ってことは、とても大切なものなんですね。具体的にはどんなことをするんですか?
IT専門家
そうだね。例えば、キーボードや画面、記憶装置といった部品がちゃんと動くかを確認したり、次に読み込むべきシステム(OS:基本ソフト)がどこにあるかを指示したりするんだよ。
基本入出力システムとは。
コンピューターに関係する言葉で、『基本的な入出力システム』というものがあります。これは『バイオス』とも呼ばれています。
基本入出力システムとは
電源を入れると、皆さんの計算機は画面に色々な表示をしながら動き始めますよね? 窓絵のようなものが現れる前に、黒い画面に文字が一瞬表示されるのを、見かけたことがある人もいるかもしれません。この、計算機に電源が入ってから窓絵が表示されるまでの間に、裏で活躍しているのが基本入出力体系です。基本入出力体系は、略して基本入出力と呼ぶこともあります。英語ではBasic Input/Output Systemと言い、それぞれの単語の頭文字をとってBIOS(バイオス)とも呼ばれます。
基本入出力は、小さな指示書の集まりのようなものです。この指示書は、計算機の心臓部である主板と呼ばれる部品にくっついている、読み出し専用記憶装置と呼ばれる場所にしまわれています。電源が入ると、まずこの指示書が読み込まれ、計算機が動き始めます。基本入出力は、計算機にとって、いわば目覚まし時計のようなものです。寝ている計算機の部品を起こして、「さあ、これから仕事だよ」と順番に指示を出していくのです。
基本入出力の大切な仕事の一つに、部品の点検があります。計算機の中には、たくさんの部品が組み込まれていますが、基本入出力は電源が入るとすぐに、これらの部品がちゃんと動くかどうかを確認します。もし壊れている部品があれば、画面にエラーメッセージを表示して知らせてくれます。また、どの部品から計算機を立ち上げていくのかを決めるのも、基本入出力の仕事です。例えば、計算機を動かすための指示を出す部品や、画面に文字や絵を表示するための部品など、様々な部品を正しい順番で動かしていきます。
基本入出力は、計算機を立ち上げるための土台を作る、縁の下の力持ちと言えるでしょう。普段はその存在を意識することはほとんどありませんが、基本入出力が正常に働かなければ、計算機は起動することすらできません。まさに、計算機の起動を支える、無くてはならない存在なのです。
項目 | 説明 |
---|---|
名称 | 基本入出力体系 (BIOS: Basic Input/Output System) |
役割 | 電源投入後、OS起動前に動作するプログラム |
機能 |
|
保存場所 | マザーボード上の読み出し専用記憶装置 |
比喩 |
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重要性 | PC起動に不可欠 |
基本入出力システムの役割
電子計算機を立ち上げる際に、基本入出力システムは欠かせない役割を担っています。このシステムは、電子計算機の心臓部である中央処理装置や記憶装置、表示装置といった様々な部品が正しく動くかを確認し、準備を整える重要な役割を担っています。
電子計算機の電源を入れた直後、基本入出力システムはまず部品の動作確認を行います。これは「電源投入時自己診断検査」と呼ばれ、電子計算機を構成する部品一つ一つが正常に動作するかどうかを細かく調べます。もし、どこかの部品に異常が見つかれば、警告音や画面表示で異常を知らせ、利用者に問題を伝えます。この検査を通過することで、電子計算機が正常に動作するための準備が整います。
部品の確認が終わると、基本入出力システムは記憶装置から基本処理手順を読み込み、起動します。記憶装置には、電子計算機を動かすための基本的な手順が保存されており、この手順に従って電子計算機全体が動き始めます。基本入出力システムは、記憶装置から基本処理手順を読み込み、電子計算機全体の制御を基本処理手順に引き継ぎます。これにより、利用者は様々な処理を電子計算機で行うことができるようになります。
さらに、基本入出力システムは電子計算機の設定情報を保存する役割も担っています。現在の日時や起動時の処理の順番、接続されている装置の種類など、電子計算機の動作に必要な様々な設定情報が保存されています。これらの情報は、電源を切っても消えないように、小さな電池で常に電力が供給されている特別な記憶装置に保存されます。基本入出力システムはこの記憶装置への読み書きを管理し、設定情報の変更や保存を行います。これにより、利用者は毎回設定を変更する手間を省き、快適に電子計算機を使うことができます。
基本入出力システムの役割 | 詳細 |
---|---|
部品の動作確認 | 電源投入時自己診断検査を行い、各部品が正常に動作するかを確認。異常があれば警告を発する。 |
基本処理手順の読み込みと起動 | 記憶装置から基本処理手順を読み込み、OSを起動。 |
設定情報の保存 | 日時、起動順序、接続機器情報など、動作に必要な設定情報を保存し管理。 |
基本入出力システムとUEFI
近頃、コンピュータを動かす上で欠かせない、基本入出力システムに替わるものとして、UEFI(統合拡張ファームウェアインターフェース)という新しい仕組みが広まりつつあります。このUEFIは、従来の基本入出力システムよりも多くの機能を備えており、起動時間の短縮、大きな容量の記憶装置への対応、安全性の向上といった利点があります。UEFIは、基本入出力システムの次世代版として作られたもので、従来のシステムが抱えていた問題点を解消するために設計されました。
例えば、従来の基本入出力システムは16ビットのデータしか扱えませんでしたが、UEFIは32ビットあるいは64ビットのデータ処理が可能です。そのため、処理速度が格段に向上しました。また、従来のシステムでは2テラバイトを超える記憶装置を認識できませんでしたが、UEFIはGPTと呼ばれる分割方式を採用することで、2テラバイト以上の大きな記憶装置にも対応できるようになりました。
さらに、セキュアブートと呼ばれる機能によって、コンピュータの頭脳である基本ソフトが動き出す前に、悪意のあるプログラムの実行を防ぐことができます。これにより、安全性も大きく高まりました。従来の基本入出力システムは、限られた記憶領域しか使えず、複雑な設定を行うのが難しかったのですが、UEFIでは、より広い記憶領域を使用できるようになり、画面表示も分かりやすくなったため、様々な設定を容易に行うことができます。このように、UEFIは、高速な起動、大容量記憶装置への対応、安全性の強化といった様々な利点を提供することで、現代のコンピュータ利用に欠かせない重要な役割を担っています。
項目 | UEFI | 従来のBIOS |
---|---|---|
データ処理 | 32ビット/64ビット | 16ビット |
記憶装置容量 | 2TB以上 (GPT) | 2TBまで |
安全性 | セキュアブート対応 | セキュアブート非対応 |
設定 | 容易 | 複雑 |
記憶領域 | 広い | 限られた |
起動時間 | 高速 | 低速 |
基本入出力システムの設定変更
パソコンが動き出す時、最初に働く大切な部分を基本入出力システムと言います。このシステムの設定を変えることで、パソコンの動き出し方や、中身の繋がり方を調整できます。設定を変えるには、パソコンの電源を入れた直後、画面にメーカーのロゴが表示されている間に、決まったキーを押す必要があります。このキーはパソコンによって異なり、多くの場合は「Delete」キーや「F2」キー、「F10」キーなどが使われます。画面に表示される案内をよく見て、正しいキーを見つけましょう。
設定画面に入ると、様々な項目が並んでいますが、キーボードを使って操作します。マウスは使えないので注意が必要です。設定項目は大きく分けて、パソコンの起動に関するもの、安全に関するもの、機械に関するものに分けられます。
起動に関する設定では、どの順番でパソコンの中身を読み込むかを決められます。例えば、普段は内蔵の記憶装置から読み込みますが、外付けの記憶装置や光学ドライブから読み込みたい場合、この順番を変えます。これによって、別の場所にある記録からパソコンを立ち上げたり、修復したりできます。
安全に関する設定では、パソコンに鍵をかけることができます。パスワードを設定することで、他の人が勝手にパソコンを使えないようにし、大切な情報を守ります。
機械に関する設定では、パソコンに繋がっている部品の状態を確認したり、日付や時刻を合わせたりできます。
基本入出力システムの設定は、パソコンの動き方に大きな影響を与えます。設定を間違うと、パソコンが動かなくなることもあります。ですから、設定を変える前には、必ず今の設定をメモしておきましょう。もしもの時に、元の状態に戻せるようにしておくことが大切です。
項目 | 説明 | 操作方法 |
---|---|---|
基本入出力システム (BIOS) | パソコン起動時に最初に働くシステム。パソコンの起動方法やハードウェアの接続設定などを管理。 | 電源投入直後、メーカーロゴ表示中に特定のキー (Delete, F2, F10 など) を押す |
起動設定 | パソコンの起動ドライブの順番を設定 (内蔵HDD、外付けドライブ、光学ドライブなど) | キーボード操作 (設定画面内) |
セキュリティ設定 | パスワード設定など、セキュリティに関する設定 | キーボード操作 (設定画面内) |
ハードウェア設定 | 接続されているハードウェアの状態確認、日付・時刻設定など | キーボード操作 (設定画面内) |
注意点 | 設定変更前に現在の設定をメモしておく。誤った設定はパソコンの起動に影響する可能性あり。 |
基本入出力システムの更新
基本入出力装置は、時とともに古くなり、不具合を起こしやすくなります。これは、装置の部品が劣化したり、新しい機器に対応できなくなったりするためです。しかし、製造元が提供する更新の手続きを行うことで、最新の状態を維持することができます。この更新には、既知の問題を修正するものや、新しい機能を追加するもの、処理速度を向上させるものなど、様々な種類があります。
基本入出力装置を最新の状態に保つことは、機械の安定した動作を保証し、安全性を高めるために非常に重要です。定期的に更新情報を確認し、必要に応じて更新することをお勧めします。更新方法は機械の種類によって異なりますが、多くの場合、製造元の公開場所に更新の手続きが掲載されています。更新の手続きを記録した装置、例えば差し込み式の記憶装置などを使い、機械に更新を適用します。
更新作業中は、機械の電源を絶対に切ってはいけません。電源を切ってしまうと、基本入出力装置が壊れてしまい、機械が起動しなくなることがあります。更新作業は慎重に行い、不明な点があれば製造元の相談窓口に問い合わせることが大切です。基本入出力装置を適切に更新することで、機械の寿命を延ばし、快適に利用し続けることができます。新しい機能が追加されることで、仕事の効率も向上する可能性があります。ですから、面倒に感じても、定期的な更新は欠かさないようにしましょう。
基本入出力装置の更新 | 詳細 |
---|---|
更新の必要性 | 部品の劣化、新しい機器への非対応を解消し、最新の状態を維持するため |
更新の種類 | 既知の問題修正、新機能追加、処理速度向上など |
更新のメリット | 機械の安定動作の保証、安全性の向上、機械の寿命延長、快適な利用、仕事効率の向上 |
更新方法 | 製造元の公開場所に掲載されている更新手続きに従う。多くの場合、更新の手続きを記録した装置(例:差し込み式の記憶装置)を使用。 |
更新時の注意点 | 更新作業中は機械の電源を絶対に切らない。不明な点は製造元の相談窓口に問い合わせる。 |
推奨事項 | 定期的に更新情報を確認し、必要に応じて更新する。 |