イベント駆動型プログラミング:概要と利点

イベント駆動型プログラミング:概要と利点

ITを学びたい

先生、「出来事駆動型」ってどういう意味ですか?よく聞くんですけど、難しそうで…

IT専門家

そうだね、少し難しいかもしれないね。「出来事駆動型」は、何か出来事が起きた時にだけ、プログラムが動く仕組みのことだよ。例えば、ボタンをクリックする、キーボードを叩く、そういう動作が「出来事」にあたるんだ。

ITを学びたい

なるほど。出来事が起きないとプログラムは動かないんですね。じゃあ、ずっと動いているプログラムとは何が違うんですか?

IT専門家

いい質問だね。ずっと動いているプログラムは、例えば、ずっと時間を監視して、決まった時間に何かをする、といったように、常に何かしら処理をしている。でも「出来事駆動型」は、普段は寝ていて、何か「出来事」が起きた時だけ、パッと起きて仕事をするようなイメージだよ。

event drivenとは。

「情報技術」に関する言葉である「事象駆動」(利用者がするキーボードやマウスの操作、あるいは他のプログラムからの要求に応じて処理を行うプログラムの動きの方式)について

はじめに

はじめに

現代の計算機による手順書は、実に様々な入力や変化に機敏に対応できるよう作られています。例えば、画面上で絵文字や文字が書かれた場所を指で押したり、文章を書き換えたり、周りの様子を伝える器機から情報を受け取ったりと、実に様々な出来事が起こります。これらの出来事を適切に扱うために、「出来事によって動き出す手順書きの作り方」という方法が広く使われています。この方法は、手順書があらかじめ決められた出来事が起こるまでじっと待ち、出来事が起こった時にそれに合った処理を行うという考え方です。この仕組みにより、手順書は無駄なく動き、使う人の操作にすぐに反応できるようになります。

具体例を挙げると、画面に表示された申し込みボタンを押す動作を考えてみましょう。この時、ボタンを押すという出来事が発生すると、手順書はあらかじめ用意された「ボタンが押された時の処理」を実行します。例えば、申し込みを受け付けたことを示す表示を出したり、申し込み内容を記録したりといった処理です。もし、この「出来事によって動き出す」仕組みがなかったら、手順書は常にボタンが押されたかどうかを確認し続けなければなりません。これは大変な無駄であり、計算機の負担も大きくなってしまいます。

また、複数の出来事が同時に起こる場合でも、「出来事によって動き出す」仕組みは有効です。例えば、音楽を聴きながら文章を書いている時に、音楽の停止ボタンが押されたとしましょう。この時、手順書は音楽を停止する処理を実行しますが、文章を書く処理はそのまま続けられます。このように、複数の処理を並行して行う場合でも、それぞれの出来事に対応した処理を適切に実行できるのが、この仕組みの大きな利点です。

このように、「出来事によって動き出す手順書きの作り方」は、現代の計算機にとってなくてはならない重要な技術となっています。様々な機器や手順書でこの仕組みが活用されており、私たちの生活をより便利で快適なものにしています。

はじめに

イベント駆動型の仕組み

イベント駆動型の仕組み

出来事をきっかけに動く仕組みのことを、出来事駆動型と呼びます。この仕組みは、主に三つの部分からできています。一つ目は「出来事」そのもののことです。これは、例えば、ねずみをぽちっと押したり、文字を打ち込んだり、書類の中身が変わったり、回線を通じて情報が届いたりといった、様々な動きを指します。二つ目は「出来事の監視役」です。これは、特定の出来事が起こるのをじっと見ている役割を果たします。例えば、ある押しボタンが押されるのを監視する役を割り当てることができます。三つ目は「出来事への対応方法」です。これは、出来事が起こった時に、どのように対処するかを決めたものです。例えば、押しボタンが押された時に、画面に文字を出すといった対応方法をあらかじめ決めておくことができます。

具体例を見てみましょう。ある画面に押しボタンがあり、それを押すと挨拶の言葉が表示されるとします。この場合、「押しボタンが押される」というのが「出来事」です。「出来事の監視役」は、常に押しボタンの状態を見ていて、押されたかどうかを判断します。そして、押しボタンが押されたという「出来事」が起こると、「出来事への対応方法」に基づいて、挨拶の言葉を表示する処理が実行されます。このように、「出来事」、「出来事の監視役」、「出来事への対応方法」の三つが連携することで、様々な出来事に柔軟に対応できる仕組みとなっています。

この仕組みは、他の様々な場面でも応用されています。例えば、お店で注文を受けた時、料理を作るという「出来事への対応方法」が実行されます。また、荷物が届いた時、受取人に連絡するというのも、この仕組みに基づいています。このように、出来事駆動型は、色々なところで使われていて、私達の生活を便利にしています。

構成要素 説明 具体例
出来事 様々な動きのこと
(例: クリック、入力、データ変更、情報受信)
ボタンが押される
出来事の監視役 特定の出来事が起こるのを監視する ボタンが押されたかどうかを判断する
出来事への対応方法 出来事が起こった時の対処法 挨拶の言葉を表示する

従来の手続き型との違い

従来の手続き型との違い

従来の計算手順を順番にこなしていくやり方と、出来事に合わせて作業を進めるやり方には、大きな違いがあります。

従来のやり方では、あらかじめ決めた手順通りに、一歩一歩順番に作業を進めていきます。まるで料理のレシピのように、手順書に書かれた通りに作業を進めるイメージです。例えば、1から100まで順番に数を数えるプログラムを作る場合、必ず1から始まり、2,3…と順番に処理を進め、最終的に100まで数えることになります。このやり方は、手順が明確で分かりやすい反面、手順以外の作業はできません。途中で別の作業が必要になった場合は、一旦今の作業を中断し、別の作業を始めてから元の作業を再開する必要があります。

一方、出来事に合わせて作業を進めるやり方は、何かが起こるまでじっと待っているようなものです。例えば、マウスのボタンが押される、キーボードのキーが押される、インターネットからデータが届くといった出来事を待ちます。そして、出来事が起こった時にだけ、あらかじめ設定しておいた対応する作業を行います。このやり方は、同時に複数の作業をこなすのに適しています。例えば、音楽を聴きながら文章を書いているとします。この時、音楽を再生するプログラムと文章を書くプログラムは、それぞれ独立して動いています。音楽を聴いている最中にキーボードのキーを押すと、文章を書くプログラムがその出来事に反応し、文字を入力します。このように、複数の作業を同時進行できるのが、このやり方の特徴です。

従来のやり方は手順が分かりやすい反面、融通が利きにくいのに対し、出来事に合わせて作業を進めるやり方は、柔軟性が高いと言えるでしょう。状況に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。

項目 従来の計算手順 出来事に合わせて作業を進める
処理の流れ あらかじめ決めた手順通りに、一歩一歩順番に作業を進める 何かが起こるまで待ち、出来事が起こった時に対応する作業を行う
1から100まで順番に数を数える マウスのボタンが押される、キーボードのキーが押される、インターネットからデータが届く
並列処理 不可。途中で別の作業が必要になった場合は、一旦今の作業を中断し、別の作業を始めてから、元の作業を再開する必要がある 可能。複数の作業を同時進行できる
メリット 手順が明確で分かりやすい 柔軟性が高い、同時に複数の作業をこなすのに適している
デメリット 手順以外の作業はできない、融通が利きにくい

利点と応用例

利点と応用例

事象に応じて処理を行うプログラミング手法は、利用者とのやり取りを中心とした仕組みを作る際に、多くの利点をもたらします。
特に、画面表示を通して利用者とやり取りするような仕組みでは、この手法が欠かせません。例えば、絵や図形を用いた画面表示を行うような仕組みでは、利用者の操作、例えば、画面上の何かをクリックする、文字を入力する、といった操作一つ一つが事象として扱われます。これらの事象に対応して、プログラムが適切な処理を行うことで、利用者と仕組みが円滑にやり取りできるようになります。
具体的には、インターネット閲覧ソフト、文章作成ソフト、遊戯用ソフトなど、多くの応用場面で、この手法が採用されています。

また、情報提供を行う側の仕組み作りにおいても、事象に応じて処理を行う手法は重要な役割を担います。例えば、インターネット上の情報を提供する仕組みでは、利用者からの情報要求を事象として捉え、それに対して必要な情報を提供する処理を行います。このようにすることで、多数の利用者からの同時アクセスにも効率的に対応できます。

さらに、機器に組み込まれた制御用仕組みや、様々な機器がインターネットにつながる仕組みなど、即座の反応が求められる場面でも、この手法は有効です。例えば、温度変化を感知する仕組みでは、温度の変化を事象として捉え、それに応じて機器の動作を制御する処理を行います。このように、事象に応じて処理を行うことで、刻々と変化する状況に柔軟に対応できる仕組みを作ることができます。

このように、事象に応じて処理を行うプログラミング手法は、様々な応用場面で活用され、利用者にとって使いやすく、効率的で、柔軟な仕組みを実現する上で重要な役割を果たしています。

場面 事象 処理 利点
利用者とのやり取りを中心とした画面表示 クリック、文字入力などの操作 操作に応じた画面表示の更新 利用者と仕組みの円滑なやり取り
インターネット閲覧ソフト、文章作成ソフト、遊戯用ソフト 様々なユーザー操作 操作に応じた処理 応用場面での活用
情報提供を行う仕組み(例:インターネット上の情報提供) 利用者からの情報要求 必要な情報の提供 多数の利用者からの同時アクセスにも効率的に対応
機器に組み込まれた制御用仕組み、様々な機器がインターネットにつながる仕組み 温度変化などの外部入力 機器の動作制御 即座の反応、刻々と変化する状況への柔軟な対応

まとめ

まとめ

事象駆動型というプログラムの書き方は、今の時代の様々な機器で動く仕組作りに欠かせないものとなっています。この書き方を使うと、利用者の行動や外からの入力に柔軟に対応できるため、操作性が高い仕組作りに最適です。

事象駆動型は、利用者のボタン操作や、機器に取り付けられた感知器からの信号など、様々な出来事を「事象」として捉えます。プログラムは、これらの事象が発生した時に特定の動作を行うように作られます。例えば、画面上のボタンが押されたという事象が発生すると、それに対応する処理が実行される仕組みです。

従来の順次処理型のプログラムでは、あらかじめ決められた手順に従って、一つずつ順番に処理を進めていきます。一方、事象駆動型では、発生する事象の種類と、それぞれの事象に対応する処理を予め決めておきます。そして、事象が発生するまで待機し、事象が発生した時に対応する処理を実行します。

この仕組のおかげで、複数の事象を同時並行で処理することが可能になります。例えば、音楽を聴きながらメールを書いている時、音楽再生とメール作成という二つの処理が同時に行われています。これは、事象駆動型プログラミングによって実現されています。

また、事象が発生するまで待機している状態では、他の処理を行うことができます。例えば、動画を変換しながら他の作業を行うことができるのも、この仕組のおかげです。

これからの時代、様々な機器で動く仕組はますます複雑になっていくでしょう。そのような状況下では、事象駆動型プログラミングの重要性はさらに高まっていくと考えられます。この手法を理解し、うまく活用することで、より高性能で使いやすい仕組を作ることができるようになります。

例えば、最近の自動車には、様々な感知器が搭載され、運転状況や周囲の環境に関する情報を常時収集しています。これらの情報を基に、自動ブレーキや車線維持支援システムなどが作動しますが、これも事象駆動型プログラミングの応用事例の一つです。

このように、事象駆動型プログラミングは、様々な分野で活用されており、現代社会を支える重要な技術となっています。

項目 説明
事象駆動型プログラミング 利用者の行動や外からの入力など、様々な出来事を「事象」として捉え、事象発生時に特定の動作を行うプログラムの書き方。
メリット
  • 操作性が高い仕組作りに最適
  • 複数の事象を同時並行で処理可能
  • 事象が発生するまで待機している間に他の処理を実行可能
従来の順次処理型との違い 順次処理型はあらかじめ決められた手順に従って一つずつ順番に処理を進めるのに対し、事象駆動型は発生する事象の種類と、それぞれの事象に対応する処理を予め決めておき、事象発生時に対応する処理を実行する。
応用事例
  • 音楽再生とメール作成の同時実行
  • 動画変換中の他の作業の実行
  • 自動車の自動ブレーキや車線維持支援システム
将来性 様々な機器で動く仕組が複雑化するにつれ、重要性はさらに高まる。