規格 知られざる改行記号:復改の謎
計算機の世界では、文字や記号は数字の符号で表されています。画面に表示される文字や記号の裏側には、それぞれに対応する符号が隠されています。これらの符号の中で、行を変える働きをする記号の一つに「復改」というものがあります。英語では「キャリッジリターン」と言い、略して「CR」と書きます。「復改」という呼び名は、少し古めかしく、初めて聞く人もいるかもしれません。この言葉は、タイプライターが現役だった時代の名残なのです。タイプライターは、文字を紙に印字する機械です。キーボードで文字を入力すると、対応する活字がハンマーで叩かれ、インクリボンを通して紙に印字されます。一行打ち終わると、印字する位置を次の行の頭に移動させる必要がありました。この時、印字装置全体を一番左端に戻す必要がありました。タイプライターには、この印字装置を乗せた可動式の台があり、この台を「キャリッジ」と呼びます。このキャリッジを元の位置に戻す動作を「キャリッジリターン」、つまり「印字台を戻す」と言いました。そして、この動作を指示する記号が「CR」になったのです。計算機の世界では、この「CR」の役割が受け継がれ、行を変える記号として使われるようになりました。現代のパソコンやスマートフォンでは、タイプライターのような物理的な装置はありませんが、画面上で文字の表示位置を変えるという同じ役割を担っています。「復改」という、少し不思議な記号の名前は、タイプライターの歴史を紐解くことで、その由来を理解することができます。つまり、「復改」とは、タイプライターのキャリッジを元の位置に戻す動作、すなわち「キャリッジリターン」を意味しているのです。
