ハードウエア パソコン互換機:その歴史と現状
昭和56年、情報処理の巨人、国際事務機械(IBM)が、個人向け計算機「IBMパーソナルコンピュータ」、略してIBM PCを世に送り出しました。この機械は、それまでの計算機とは大きく異なり、設計図を公開する、「開放型設計」という画期的な方法を取り入れていました。これは、他社もこの設計図に基づいて同じ仕組みの機械を作っても良い、という画期的な考え方でした。この開放型設計は、後の計算機業界に大きな変革をもたらしました。多くの会社がIBM PCと同じ仕組みで動く「互換機」を作り始め、販売競争が激しくなりました。この競争のおかげで、計算機の値段は下がり、性能はどんどん上がっていきました。まるで、多くの職人が腕を競い合い、良い品をより安く提供する活気ある市場のようでした。IBM PC互換機、あるいは単にPC互換機と呼ばれるこれらの機械は、IBM PCと同じ働きをし、多くの場合、値段も安く手に入りました。これは、計算機を一般家庭にも普及させる大きな力となりました。まるで、かつて高価だった電話が、今では誰もが持つ必需品になったように、計算機も人々の生活に欠かせないものへと変わっていったのです。このIBM PCの登場と、互換機の広まりが、現代の計算機市場の土台を作ったと言っても過言ではありません。IBMが開放型設計を採用したことで、多くの会社が計算機開発に参入し、技術革新が加速しました。もし、IBMが設計図を秘密にしていたら、計算機は一部の限られた人だけが使える高価な機械のままだったかもしれません。IBM PCと互換機の歴史は、技術の進歩と市場競争の重要性を示す好例と言えるでしょう。