引数の役割:プログラムの動作を操る
ITを学びたい
先生、「引数」ってよく聞くんですけど、何のことか教えてもらえますか?
IT専門家
そうですね。「引数」とは、関数に渡す値のことです。関数は、与えられた値を使って何らかの処理を行う命令の集まりで、その処理に必要な値を引数として渡します。料理で例えると、関数が「カレーを作る」という手順だとすると、引数は「じゃがいも」や「にんじん」、「肉」といった材料にあたります。
ITを学びたい
なるほど。材料みたいなものなんですね。でも、材料がなくてもカレーは作れますよね?引数がなくても関数は動くんですか?
IT専門家
いい質問ですね。カレーの例えで言うと、材料がなくてもお湯とカレールーだけでカレーは作れますよね。同じように、引数がなくても動く関数もあります。引数の要不要は、関数がどんな処理をするかによって決まります。
引数とは。
「情報技術」に関する言葉である「引数」(言い換えれば「パラメーター」)について
引数とは
計算機に指示を出すための手順書を、よく料理の作り方に例えます。この手順書のことを、専門用語で「プログラム」と呼びます。プログラムは様々な指示を組み合わせることで、複雑な作業も自動的に行えるようにしてくれます。
料理を作るには、手順だけでなく材料が必要です。カレーを作るなら、肉、野菜、香辛料など、様々な材料が必要です。プログラムにも同様に、作業を行うための材料が必要です。この材料に当たるものを「引数(ひきすう)」と呼びます。
カレーの作り方を例に考えてみましょう。同じカレーのレシピでも、使う肉の種類を変えれば、牛肉のカレー、鶏肉のカレー、豚肉のカレーを作ることができます。野菜の種類や量、辛さの加減を変えることでも、様々な風味のカレーを作ることができます。プログラムも同じです。同じプログラムでも、引数を変えることで、様々な結果を得ることができます。データの計算をするプログラムであれば、計算するデータを引数として与えます。画像を加工するプログラムであれば、加工する画像を引数として与えます。このように、引数によってプログラムの動作を細かく制御できるのです。
引数は、プログラムを動かす時に与えます。例えば、文字を画面に表示するプログラムに、「こんにちは」という文字を引数として与えれば、画面に「こんにちは」と表示されます。「こんばんは」という文字を引数として与えれば、画面に「こんばんは」と表示されます。
プログラムの中で、何度も同じ作業を繰り返す必要がある場合、その作業をまとめて「関数」と呼ばれる小さなプログラムにします。関数にも引数を渡すことができます。例えば、二つの数を足し算する関数を考えてみましょう。この関数に、3と5を引数として与えれば、関数は8を返します。2と7を引数として与えれば、関数は9を返します。このように、関数は引数によって異なる結果を返すことができます。
引数を使うことで、プログラムをより柔軟で効率的に使えるようになります。同じプログラムを様々な状況で使い回せるようになるため、開発の手間を省くことができるのです。
用語 | 説明 | 料理の例 |
---|---|---|
プログラム | 計算機に指示を出すための手順書。様々な指示を組み合わせることで、複雑な作業も自動的に行えるようにしてくれる。 | カレーのレシピ |
引数 | プログラムを動かすための材料。引数を変えることで、様々な結果を得ることができる。プログラムの動作を細かく制御できる。 | 肉の種類、野菜の種類や量、辛さの加減 |
関数 | プログラムの中で、何度も同じ作業を繰り返す必要がある場合、その作業をまとめて「関数」と呼ばれる小さなプログラムにする。引数によって異なる結果を返すことができる。 | カレーのルーを作る工程だけを関数として切り出すイメージ。具材を引数として渡せば、色々なカレーのルーが作れる。 |
引数の種類
計算をする道具を作るには、材料が必要になります。材料には、必ず必要なものと、必要に応じて加えるものがあります。
必ず必要な材料は、必須引数と呼ばれます。例えば、足し算をする道具を作るには、足す数が必要になります。これらの数が必須引数です。もし、足す数を指定しないと、道具は計算ができず、壊れたように止まってしまいます。
一方、必要に応じて加える材料は、任意引数と呼ばれます。例えば、計算結果を表示する時の文字の大きさや色などは、任意引数です。これらの材料が指定されなくても、道具は基本的な計算を行い、結果を表示します。
任意引数が指定されていない場合は、道具にあらかじめ設定されている材料が使われます。例えば、文字の大きさは特に指定がなければ、標準の大きさで表示されます。
必須引数と任意引数を使い分けることで、道具の使い方を分かりやすくすることができます。例えば、簡単な計算をしたい人は、必須引数だけを指定すればすぐに計算ができます。一方、表示方法などを細かく調整したい人は、任意引数を指定することで、自分の好みに合わせた結果を得ることができます。
また、材料の種類も重要です。数字を扱う道具に文字を入れると、道具は正しく動きません。数を入れるべきところに数、文字を入れるべきところに文字を入れる必要があります。材料の種類を正しく指定しないと、道具が思いもよらない動きをする可能性があります。例えば、数字を扱う道具に文字を入れると、計算結果がおかしくなったり、道具が止まってしまうことがあります。
引数の種類 | 説明 | 必須/任意 | 指定がない場合 |
---|---|---|---|
必須引数 | 計算をするために必ず必要な材料 | 必須 | 指定がないと計算ができない |
任意引数 | 必要に応じて加える材料 | 任意 | 道具にあらかじめ設定されている値が使われる |
引数の指定方法
計算機などの道具を使う際に、材料や指示を与えるのと同じように、計算手順を記した物に指示を与えることもできます。この指示のことを「引数(ひきすう)」と言い、計算手順を記した物を「プログラム」と呼びます。
プログラムに引数を渡す方法は様々ですが、多くの場合は、命令を入力する場所で指定します。例えば、ある道具を操作する際に「道具の名前 入力するもの 出力するもの」といった具合に、道具の名前の後に続けて、指示したい内容を空白で区切って記述します。例えば「道具.実行 入力.文書 出力.文書」のように入力すると、「道具.実行」というプログラムに対して「入力.文書」と「出力.文書」を引数として渡したことになります。これは「入力.文書」の内容を読み込んで処理を行い、「出力.文書」に結果を書き出すように指示していることになります。
プログラムの中には、小さな手順の集まりを組み合わせているものもあります。それぞれの小さな手順のことを「関数」と呼びます。関数にも引数を渡すことができます。関数を呼び出す際は、関数の名前の後に括弧を付け、その中に引数を記述します。例えば「計算する(10, 20)」のように記述すると、「計算する」という関数に「10」と「20」という二つの引数を渡すことになります。これは例えば、この二つの数を足し合わせるように指示していることになります。
引数の順番や区切り方は、プログラムや関数によって様々です。そのため、プログラムや関数を正しく使うためには、使い方を説明した文書をよく読む必要があります。引数の指定方法を間違えると、プログラムが正しく動かなかったり、意図しない結果が出力されたりする可能性があります。それぞれのプログラムや関数がどのような引数を必要としているのか、どのような順番で指定する必要があるのかを事前に確認することが重要です。
用語 | 説明 | 例 |
---|---|---|
引数 | プログラムや関数への指示 | “入力.文書”、”出力.文書”、”10″、”20” |
プログラム | 計算手順を記したもの | “道具.実行” |
関数 | プログラムの中の小さな手順 | “計算する(10, 20)” |
引数の活用例
様々な道具を使う時、色々な部品や材料を組み合わせることで、色々なことができます。例えば、料理を作る時を考えてみましょう。包丁を使う時は、野菜を刻んだり、肉を切ったり、魚を捌いたりと、扱う材料によって切る動作が変わります。同じように、計算機では「引数」と呼ばれるものが、道具に材料を渡す役割を果たします。
例えば、表計算ソフトで特定の範囲の合計を求めたいとします。この場合、合計を求める範囲を「引数」として指定します。範囲をA1からB10に指定すれば、その範囲の合計が計算され、別の範囲、例えばC1からD10を指定すれば、その範囲の合計が計算されます。このように、引数を変えることで、同じ道具でも異なる結果を得ることができます。
画像編集ソフトでも同じことが言えます。画像を回転させる機能では、回転させる角度を引数として指定します。90度を指定すれば90度回転し、180度を指定すれば180度回転します。また、写真の明るさを調整する機能では、明るさの度合いを引数として指定します。値を大きくすれば写真は明るくなり、値を小さくすれば写真は暗くなります。このように、引数は様々な値を指定することで、道具の動作を細かく制御することを可能にします。
また、インターネットを閲覧する際にも引数が使われています。例えば、検索窓にキーワードを入力して検索ボタンを押すと、入力したキーワードが検索エンジンへの引数として渡され、そのキーワードに関連する情報が表示されます。この時、キーワードが異なれば、表示される結果も異なります。これも引数によって結果が変わる例です。
このように、引数は色々な道具を様々な方法で使うために必要な情報です。引数を理解し、使いこなすことで、道具の力を最大限に引き出すことができます。
道具 | 引数 | 結果 |
---|---|---|
包丁 | 野菜、肉、魚 | 刻む、切る、捌く |
表計算ソフト | A1からB10 | A1からB10の合計 |
表計算ソフト | C1からD10 | C1からD10の合計 |
画像編集ソフト(回転) | 90度 | 90度回転 |
画像編集ソフト(回転) | 180度 | 180度回転 |
画像編集ソフト(明るさ) | 値大 | 写真が明るくなる |
画像編集ソフト(明るさ) | 値小 | 写真が暗くなる |
検索エンジン | キーワードA | キーワードAに関連する情報 |
検索エンジン | キーワードB | キーワードBに関連する情報 |
まとめ
プログラムを動かす際に、どのように指示を出したり、必要な情報を渡したりするのでしょうか?そのための重要な仕組みが「引数」です。引数は、プログラムに特定の動作をさせたり、処理に必要なデータを提供したりする役割を担います。
例えば、文章を表示するプログラムを考えてみましょう。このプログラムに「こんにちは」と表示させたい場合、「こんにちは」という文字列を引数として渡します。他の言葉を表示させたい場合は、その言葉を引数として渡すだけで、プログラムを変更することなく様々な表示が可能です。これが引数による柔軟性です。一度作成したプログラムを、異なるデータで繰り返し使える再利用性も引数の利点です。
引数には種類があります。必須引数は、プログラムが動作するために必ず必要な引数です。もし必須引数が渡されないと、プログラムはエラーを起こして停止します。任意引数は、プログラムの動作を調整するために使われますが、省略してもプログラムは動作します。任意引数には初期値が設定されていることが多く、省略された場合は初期値が使用されます。
引数には様々な種類のデータを渡すことができます。例えば、数値、文字列、論理値(真偽)などです。プログラムは、渡されたデータの種類に応じて適切な処理を行います。引数のデータ型を理解することは、プログラムを正しく動作させるために不可欠です。
引数をプログラムに渡す方法はいくつかあります。コマンドライン引数は、プログラムを実行する際に、コマンドの後ろに続けて引数を記述する方法です。もう一つは、関数呼び出しです。プログラムの中で関数を呼び出す際に、引数を括弧の中に記述して渡します。
様々なプログラムの使い方を説明した文書や手引書をよく読んで、それぞれのプログラムで引数がどのように使われているかを学ぶことも大切です。引数をうまく使いこなせるようになれば、プログラムで実現できる処理の幅が広がり、プログラミングの可能性は大きく広がります。
項目 | 説明 |
---|---|
引数の役割 | プログラムに特定の動作をさせたり、処理に必要なデータを提供する |
引数による柔軟性 | プログラムを変更することなく、異なるデータで様々な処理ができる |
再利用性 | 一度作成したプログラムを、異なるデータで繰り返し使える |
必須引数 | プログラムが動作するために必ず必要な引数。省略するとエラーが発生 |
任意引数 | プログラムの動作を調整するための引数。省略可能で、初期値が設定されていることが多い |
データ型 | 引数に渡すデータの種類(数値、文字列、論理値など)。プログラムはデータ型に応じて処理を行う |
コマンドライン引数 | コマンド実行時に、コマンドの後ろに続けて引数を記述する方法 |
関数呼び出し | プログラム内で関数を呼び出す際に、括弧の中に引数を記述する方法 |
プログラミングの可能性 | 引数をうまく使いこなすことで、プログラムで実現できる処理の幅が広がる |