仮想プライベートネットワーク入門

ITを学びたい
先生、「仮想プライベートネットワーク」、VPNってよく聞くんですけど、何のことかよく分かりません。教えてください。

IT専門家
そうだね。「仮想プライベートネットワーク」は、インターネットのような公衆回線の中に、まるで専用回線のような安全な通信経路を作ることだよ。例えるなら、大勢の人が行き交う道路の中に、自分たちだけが使える秘密のトンネルを作るようなものだね。

ITを学びたい
秘密のトンネル…ですか? ということは、そのトンネルを通る情報は、ほかの人には見られないということですか?

IT専門家
その通り! 外部から情報を見られないように暗号化することで、安全にデータを送受信できるんだ。だから、会社と自宅をつないだり、無料Wi-Fiを使うときに安全性を高めるためによく使われているんだよ。
仮想プライベートネットワークとは。
『情報技術』に関する言葉、『仮想の専用回線』(つまり、VPN)について
概要

皆さんが日常的に利用しているインターネットは、世界中の人々が繋がる広大なネットワークです。とても便利ですが、その反面、通信内容が盗み見されたり、書き換えられる危険性も潜んでいます。そこで登場するのが、仮想専用線とも言われるVPNです。VPNは、公共のインターネット回線を利用しながらも、まるで専用の回線を引いているかのような安全な通信経路を作り出します。
例えるなら、たくさんの人が行き交う広い道路に、自分たちだけが通れる秘密のトンネルを掘るようなものです。このトンネル内を通る情報は暗号化されるため、たとえ誰かが覗き見ようとしても、解読できないように守られます。これが、VPNによる盗聴や改ざんへの対策です。
VPNの利用場面は様々です。会社では、自宅や外出先から会社のネットワークに安全にアクセスするために利用されます。まるで会社にいるかのように、社内システムやファイルにアクセスできるため、場所を選ばずに仕事を進めることが可能になります。また、個人が利用するケースも増えています。無料の公衆無線LANを利用する際に、通信内容を保護するためにVPNは有効です。パスワードやクレジットカード番号などの重要な情報が盗まれるリスクを減らすことができます。
近年、情報漏洩のニュースを耳にする機会が増え、セキュリティへの関心はますます高まっています。同時に、場所を選ばずに働く人が増え、在宅勤務も一般的になりました。このような背景から、VPNの重要性はますます高まっており、様々なVPN接続サービスが提供されています。VPNは、現代社会において安全にインターネットを利用するための必須技術と言えるでしょう。
| VPNのメリット | 利用場面 |
|---|---|
| 盗聴・改ざんへの対策 | 自宅や外出先から会社のネットワークへ安全にアクセス |
| 通信内容の保護 | 無料の公衆無線LAN利用時のセキュリティ確保 |
仕組み

仮想専用網(VPN)は、特別な仕組みを使って、まるで専用回線のような安全な通信を実現します。インターネット上でのやり取りを、他の人に見られないように守る技術のことです。
まず、利用者が自分の機器でVPNを使うための道具を動かすと、インターネットを通してVPNの提供会社が用意した特別な計算機(VPNサーバー)に接続します。この接続のやり取り自体も、暗号という特別な方法で内容が隠されているので、誰かが盗み見ようとしてもわかりません。
VPNサーバーへの接続が完了すると、利用者の機器とVPNサーバーとの間に、仮想的なトンネルが作られます。まるで、2つの地点を結ぶ専用のトンネルのようなものです。このトンネルの中を通るデータはすべて暗号化されます。暗号化とは、データを特別な方法で書き換えて、許可された人以外は読めないようにすることです。たとえ誰かが通信を盗み見ようとしても、暗号によって意味不明なデータになっているため、内容を知ることはできません。これにより、誰でも使えるインターネットのような場所でも、限られた人だけが使える専用回線と同じくらいの安全性を確保できます。
VPNサーバーは、利用者の代わりにインターネット上の色々な場所と情報のやり取りを行います。そのため、利用者の本当の住所のような情報(IPアドレス)は隠され、VPNサーバーの住所情報が使われます。これにより、利用者の居場所やアクセス元を特定することが難しくなり、個人の情報の保護にも繋がります。つまり、VPNを使うことで、インターネット上での活動の足跡を隠すことができ、プライバシーを守ることができるのです。
種類

仮想個人通信網には、いくつか種類があります。よく使われているものとしては、インターネット通信保護、安全な通信層仮想個人通信網、第2層トンネリング通信規約/インターネット通信保護などが挙げられます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
まず、インターネット通信保護は、名前の通りインターネット通信の安全を守るための標準的な手順です。この手順は、高い安全性を誇り、多くの会社で使われています。データの暗号化と認証という二つの機能を組み合わせることで、盗聴や改ざんといった脅威から通信を守ります。そのため、重要な情報を扱う業務に適しています。しかし、設定が少し複雑なため、専門的な知識が必要となる場合があります。
次に、安全な通信層仮想個人通信網は、安全な通信層と呼ばれる暗号化技術を用いた仮想個人通信網です。これは、普段ホームページを見る際に使う閲覧ソフト上で利用できるため、手軽に導入できることが利点です。特別な道具を必要とせず、比較的簡単に設定できます。そのため、個人利用や小規模な組織での利用に向いています。ただし、インターネット通信保護に比べると安全性の面では劣ると言われています。
最後に、第2層トンネリング通信規約/インターネット通信保護は、第2層トンネリング通信規約という通信路を作る手順とインターネット通信保護を組み合わせた方式です。これは、高い安全性を持ちつつ、通信も安定しているという両方の利点を持っています。第2層トンネリング通信規約が通信路を作り、インターネット通信保護が暗号化を行うことで、安全で安定した通信を実現しています。そのため、会社や組織での利用に適しています。しかし、設定が少し複雑なため、専門家の助けが必要になることもあります。
このように、仮想個人通信網には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。利用する目的や状況に応じて適切な種類を選ぶことが大切です。導入前にそれぞれの方式をよく理解し、比較検討することをお勧めします。
| 種類 | 特徴 | メリット | デメリット | 適した利用シーン |
|---|---|---|---|---|
| インターネット通信保護 | インターネット通信の安全を守る標準的な手順。データの暗号化と認証を行う。 | 高い安全性 | 設定が複雑で専門知識が必要 | 重要な情報を扱う業務 |
| 安全な通信層仮想個人通信網 | 安全な通信層と呼ばれる暗号化技術を用いた仮想個人通信網。閲覧ソフト上で利用可能。 | 手軽に導入できる、設定が簡単 | インターネット通信保護に比べて安全性は低い | 個人利用、小規模な組織での利用 |
| 第2層トンネリング通信規約/インターネット通信保護 | 第2層トンネリング通信規約とインターネット通信保護を組み合わせた方式。 | 高い安全性と安定した通信 | 設定が複雑で専門家の助けが必要な場合も | 会社や組織での利用 |
利点

仮想私設網を使うことの利点は、主に三つの側面に分けることができます。それは、安全性の向上、個人の情報の守秘、そして場所による制限の回避です。
まず、安全性の向上について説明します。仮想私設網は、やり取りされる情報を暗号化することで、盗み見や書き換えなどの危険性を大きく減らします。特に、誰でも使える無線接続場所など、安全対策が不十分な場所で使う際に効果を発揮します。例えば、喫茶店や駅などで提供されている無料の無線接続サービスを使う際に、仮想私設網を利用することで、通信内容が暗号化され、第三者による盗聴や改ざんを防ぐことができます。これにより安心してインターネットを利用できます。
次に、個人の情報の守秘についてです。仮想私設網は、接続元の情報アドレスを隠すことで、どこから接続しているかを分からなくし、個人の情報の流出を防ぎます。インターネット上では、様々なサイトにアクセスする際に、接続元の情報アドレスが記録されます。この情報アドレスから、個人の位置情報や利用履歴などが特定される可能性があります。仮想私設網を利用することで、情報アドレスを隠蔽し、プライバシーを守ることができます。
最後に、場所による制限の回避についてです。仮想私設網は、接続先の場所を変えることで、特定の国や地域でしか見られない情報にアクセスできるようになります。例えば、海外旅行中に日本の動画配信サービスを見たい場合、通常はアクセスが制限されています。しかし、仮想私設網を利用して接続先を日本に設定することで、まるで日本からアクセスしているかのように動画配信サービスを利用することができます。このように、仮想私設網は、場所による制限を回避し、様々な情報にアクセスすることを可能にします。
| 利点 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 安全性の向上 | 情報を暗号化し、盗み見や書き換えなどの危険性を減らす。特に、安全対策が不十分な無線接続場所で効果を発揮する。 | 喫茶店や駅などの無料無線接続サービス使用時に、通信内容を暗号化し、盗聴や改ざんを防ぐ。 |
| 個人の情報の守秘 | 接続元の情報アドレスを隠すことで、どこから接続しているかを分からなくし、個人の情報の流出を防ぐ。 | インターネット上のサイトアクセス時に記録される接続元情報アドレスから、位置情報や利用履歴などが特定されるのを防ぐ。 |
| 場所による制限の回避 | 接続先の場所を変えることで、特定の国や地域でしか見られない情報にアクセスできるようになる。 | 海外旅行中に、仮想私設網で接続先を日本に設定することで、日本の動画配信サービスを利用する。 |
選び方

仮想私設網接続業者を選ぶ際には、様々な点に気を配る必要があります。何よりも大切なのは、情報の守りの堅牢さです。どのような方法で情報を暗号化しているのか、どのような安全対策がとられているのかを調べ、信頼のおける業者を選びましょう。
次に考えるべきは、情報のやり取りの速さです。仮想私設網接続を使うと、暗号化などの処理のため、情報のやり取りが遅くなることがあります。速い通信を大切にしたい場合は、通信速度の速い業者を選びましょう。
使える機械の種類や数、料金の仕組みも大切な点です。自分の使い方に合わせて、いくつの機械を同時に接続できるのか、料金はどのように支払うのかを確認しましょう。
さらに、接続できる場所の数や設置場所も重要です。見たい情報に地域制限がある場合、その地域に接続できる場所がなければ見ることができません。自分が利用したい地域に接続できる場所があるかを確認しましょう。
情報の記録を残すかどうかという点も、見逃せません。個人の情報を守るためには、情報の記録を残さない業者を選ぶ方が安全です。安心して使えるように、これらの点をよく調べて、自分に合った業者を選びましょう。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 情報の安全性 | 暗号化の方法、安全対策の内容を確認 |
| 通信速度 | 通信速度の速さを確認 |
| 使える機械の種類や数、料金 | 同時接続可能台数、料金体系を確認 |
| 接続できる場所の数や設置場所 | 利用したい地域への接続可否を確認 |
| 情報の記録 | 情報の記録の有無を確認 |
注意点

仮想個人網接続(VPN)は、安全な通信経路を提供することで、情報漏えいや不正アクセスを防ぐ有効な手段です。しかし、すべての危険を回避できる魔法の杖ではありません。VPNを使っているからといって、安心しきってはいけません。
例えば、巧妙な偽サイトに誘導して個人情報などを盗み取る、いわゆる「釣り詐欺」の危険は、VPNを使っていても変わりません。また、悪意のあるプログラム、いわゆる「有害ソフト」に感染する危険も同様です。VPNは通信経路を守るものですが、端末自体を守るものではないからです。そのため、VPN接続と併せて、有害ソフト対策ソフトの導入や、怪しいサイトへのアクセスを控えるといった基本的な対策は引き続き重要です。
さらに、気を付けたいのが無料のVPNサービスです。無料だからといって飛びつくと思わぬ落とし穴があるかもしれません。無料VPNの中には、安全性が低いものや、利用者の情報をこっそり集めて売買しているものも存在します。安全を重視するのであれば、信頼できる有料のVPNサービスを選ぶ方が賢明です。サービスの内容をよく調べ、評判などを確認してから利用するようにしましょう。
また、VPNは通信内容を暗号化するため、会社の網管理者が通信内容を確認することが難しくなります。これは、VPNの利点であると同時に、会社の規則によっては問題となる可能性もあります。会社の網でVPNを使いたい場合は、事前に網管理者に相談し、会社の規則に従って利用することが大切です。勝手な利用はトラブルの元になりかねません。
VPNは強力な道具ですが、使い方を誤ると危険を招く可能性もあります。安全性に関する知識を身につけ、適切なサービスを選び、責任を持って利用することが重要です。
| VPNのメリット | VPNの注意点 | 推奨事項 |
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| 安全な通信経路の提供 情報漏えいや不正アクセス防止 |
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