コンピュータワーム:自己増殖型脅威
ITを学びたい
先生、「コンピュータウイルス」と「ワーム」の違いがよくわからないのですが、教えていただけますか?
IT専門家
いい質問だね。「コンピュータウイルス」は他の正常なプログラムにくっついて増えるのに対し、「ワーム」は自分自身でどんどんコピーを作ってネットワークを通じて広がるんだ。だから、ウイルスは何かを媒介にする必要があるけど、ワームは単独で増殖できる点が大きな違いだよ。
ITを学びたい
なるほど。つまり、ワームは他のプログラムを必要としないってことですね。でも、どちらもコンピュータに悪い影響を与えるんですよね?
IT専門家
その通り。どちらもコンピュータに悪影響を与える。ワームは自己増殖を繰り返すことでネットワークを圧迫したり、コンピュータの動作を遅くしたりするんだ。ウイルスも同様に、感染したプログラムを実行することで様々な問題を引き起こすよ。
computer wormとは。
「情報技術」に関する言葉である「コンピュータワーム」(略して「ワーム」ともいう)について
概要
計算機に悪さをする、虫のような名前の「ワーム」というものについて説明します。ワームとは、自分のコピーをたくさん作って増えていく、悪いプログラムのことです。まるで虫がどんどん増えていくように、計算機の中で勝手に増えていきます。このワームは、他の普通のプログラムにくっついて増えるのではなく、一人で増えていくのが特徴です。計算機のネットワークという、いわば道のりを伝って、どんどん自分のコピーを送り出し、他の計算機に感染を広げていきます。
ワームはこのように増えていくことで、計算機の力をたくさん使ってしまいます。すると、計算機は本来の仕事をする力がなくなり、動きが遅くなってしまいます。また、ネットワーク全体も、ワームが作ったコピーが行き来することで混雑し、速度が遅くなってしまいます。さらに悪いことには、ワームの中には、大切な情報や秘密のデータを探し出して盗み出すものや、計算機自体を壊してしまうものもいます。そのため、ワームはとても危険なものと考えられています。
ワームと似たものに「ウイルス」というものがありますが、これらは違います。ウイルスは、他の普通のプログラムにくっついていないと増えることができません。ワームは、他のプログラムの手助けを借りずに、一人でどんどん増えることができます。このため、ワームはウイルスよりもずっと速く広がり、たくさんの計算機に被害を与える可能性があります。
ワームは、計算機の守りが弱いところをねらって侵入し、増えていきます。そのため、ワームから計算機を守るためには、しっかりと守りを固めておくことが大切です。計算機の持ち主は、常に最新の守り方を調べて、自分の計算機を守り続けなければなりません。そうすることで、ワームの侵入を防ぎ、被害から身を守ることができるのです。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 自己複製を行い、ネットワークを介して拡散する悪意のあるプログラム |
特徴 | 他のプログラムに依存せず自己増殖可能 |
拡散方法 | ネットワークを介して自身のコピーを拡散 |
被害 |
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ウイルスとの違い | ウイルスは他のプログラムに寄生して増殖するが、ワームは単独で増殖可能 |
侵入経路 | システムの脆弱性を悪用 |
対策 | システムのセキュリティ対策を最新の状態に保つ |
感染経路
計算機に害を及ぼす小さなプログラムは、様々な方法で他の計算機へと広がっていきます。その経路は主に、計算機同士をつなぐ網の仕組みの弱点や欠陥を突いて侵入する方法です。例えば、電子の手紙に添えられたファイル、怪しい場所に仕組まれた網の場所への接続、あるいは計算機同士で情報をやり取りする場所などが感染経路として挙げられます。このような入口から侵入を果たすと、プログラムは自らを複製し始め、どんどん増えていきます。
また、計算機に接続して情報を持ち運ぶ小さな入れ物のようなものも感染経路となります。感染した計算機にこの入れ物を接続すると、害を及ぼすプログラムが入れ物の中にコピーされます。そして、この入れ物を別の計算機に接続すると、その計算機にも感染が広がってしまうのです。ですから、出どころの怪しい入れ物を使うのは避けるべきです。
さらに、計算機を動かすための指示である、様々な道具の弱点や欠陥を突いて感染することもあります。道具の改良を怠ると、弱点や欠陥を突かれて、害を及ぼすプログラムに感染する危険性が高まります。常に最新の道具を使うように心がけることが大切です。計算機の安全を守るためには、怪しい手紙や網の場所には近づかない、持ち運べる入れ物に気を付ける、道具を最新の状態に保つといった、日ごろからの心がけが重要です。そうすることで、害を及ぼすプログラムから自分の計算機を守り、安全に使うことができます。
感染経路 | 具体的な例 | 対策 |
---|---|---|
ネットワークの弱点 | メールの添付ファイル、怪しいウェブサイトへのアクセス、ファイル共有など | 怪しいメールやウェブサイトにアクセスしない |
リムーバブルメディア | USBメモリ、外付けハードディスクなど | 出どころの怪しいリムーバブルメディアを使用しない |
ソフトウェアの脆弱性 | OS、アプリケーションなど | ソフトウェアを最新の状態に保つ |
種類
計算機を蝕む、いわゆる「虫」と呼ばれる悪意あるプログラムは、その振る舞いや目的によっていくつかの種類に分けられます。それぞれが異なる方法で広がり、異なる被害をもたらすため、種類ごとの特徴を理解することは、被害を防ぐ上で重要です。
まず、手紙のように人から人へと渡っていくものがあります。これは、電子手紙を介して広がり、受け取った人の住所録に登録されている連絡先に自動的に送られます。まるで鎖のように次々と繋がっていくため、あっという間に多くの計算機に感染を広げてしまう危険性があります。知らない人からの電子手紙には注意し、添付されている文書を開く前には送信者を確認するなど、慎重な対応が必要です。
次に、共有されている場所に潜むものがあります。これは、資料などを共有するための仕組みを通じて広がり、共有されている資料に紛れ込んで感染を広げます。一見すると普通の資料のように見えるため、気づかずに開いてしまうことが多く、感染のリスクを高めます。信頼できない場所から資料をダウンロードしない、ウイルス対策ソフトを導入するなど、対策を講じることが重要です。
さらに、網の目のように張り巡らされた世界規模の連絡網を通じて広がるものもあります。これは、様々な情報を伝えるための仕組みを通じて広がり、連絡網の弱点などを突いて感染を広げます。常に最新の情報に更新することで、弱点を補強し、感染のリスクを減らすことができます。
これらの他にも、特定の仕組みを狙うものや、特定の情報を盗み出すことを目的としたものなど、様々な種類が存在します。まるで狙いを定めた矢のように、特定の対象を狙って攻撃を仕掛け、大きな損害を与える可能性があります。こうした悪意あるプログラムから身を守るためには、種類ごとの特徴を理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。
種類 | 感染経路 | 特徴 | 対策 |
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メール型ウイルス | 電子メール |
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ファイル共有型ウイルス | 共有ファイル |
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ネットワーク型ウイルス | ネットワーク |
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標的型ウイルス | 様々 |
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被害
計算機に侵入する有害なプログラムによる被害は、様々な形で現れます。まず、処理速度の低下が見られます。このプログラムは、計算機の資源を大量に使い果たすため、普段より動作が遅くなったり、ときには操作を受け付けなくなることもあります。次に、情報の消失や改ざんが挙げられます。このプログラムの中には、蓄積された文書や図表などを消去したり、内容を書き換えたりするものがあります。そのため、大切な情報が失われたり、誤った情報に基づいて作業を進めてしまう危険性があります。さらに、計算機システム全体の故障も起こりえます。このプログラムがシステムの重要な部分を壊してしまうと、計算機全体が動かなくなる可能性があります。これらの被害は、個人だけでなく、会社や団体にも大きな影響を及ぼします。例えば、会社の秘密情報が外部に漏れたり、日々の業務が滞ったりすることで、多額の損害が発生する可能性があります。また、復旧作業にも時間と費用がかかり、通常業務への復帰に遅れが生じることもあります。さらに、信頼の失墜といった目に見えない損害も発生する可能性があります。一度被害に遭うと、顧客や取引先からの信頼を失い、今後の事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。このような被害を防ぐために、日頃から対策を講じることが重要です。適切な対策ソフトの導入や、定期的な情報の更新、従業員への教育などを通じて、有害なプログラムの侵入を防ぎ、安全な計算機環境を維持する必要があります。
被害の種類 | 被害の内容 | 影響 |
---|---|---|
処理速度の低下 | 動作が遅くなる、操作を受け付けなくなる | 業務効率の低下 |
情報の消失や改ざん | データの消去、内容の書き換え | 重要な情報の損失、誤った情報に基づく作業 |
計算機システム全体の故障 | システムの重要な部分の破壊 | 業務の停止 |
多額の損害 | 秘密情報の漏洩、業務の停滞 | 経済的損失 |
復旧作業の負担 | 時間と費用の発生 | 通常業務への復帰の遅延 |
信頼の失墜 | 顧客や取引先からの信頼喪失 | 今後の事業活動への悪影響 |
対策
計算機を悪意のあるプログラムから守るには、幾つかの対策をきちんと行うことが大切です。まず、家の門のように外部からの侵入を防ぐ仕組みや、体内に侵入したウイルスを退治する仕組みを導入しましょう。これらは常に最新の状態にしておくことが重要です。家の門が古くて壊れていたり、ウイルス退治の薬が古くて効力がなくなっていたら、何の意味もありません。
次に、計算機やその上で動く様々な道具類の欠陥を修正するプログラムを適用することも大切です。これは、いわば家の壁のひび割れを修理するようなものです。ひび割れを放置しておくと、そこから泥棒が侵入してくるかもしれません。同様に、計算機の欠陥を放置しておくと、悪意のあるプログラムが侵入してくる可能性が高くなります。
さらに、電子郵便に添付されたファイルや怪しい場所に注意することも重要です。知らない人からの手紙に同封されているプレゼントを開けてはいけないのと同じで、信頼できない人からの電子郵便に添付されたファイルは開いてはいけません。また、怪しい場所には近づかない方が良いでしょう。インターネット上にも怪しい場所がたくさんあります。そのような場所にアクセスすると、悪意のあるプログラムに感染する危険性があります。
最後に、大切な情報の写しを定期的に作っておくことも大切です。これは、万が一、家に泥棒が入って大切なものを盗まれてしまった場合に備えて、別の場所に貴重品の複製を保管しておくようなものです。計算機が悪意のあるプログラムに感染して情報が失われてしまった場合でも、写しがあればそこから情報を復元することができます。これらの対策をしっかり行うことで、計算機を悪意のあるプログラムから守り、安全に利用することができます。
対策 | 例え | 説明 |
---|---|---|
外部からの侵入を防ぐ仕組みとウイルス対策ソフトの導入・更新 | 家の門、ウイルス退治の薬 | 外部からの攻撃やウイルスを防ぎ、常に最新の状態を保つことが重要 |
計算機やソフトウェアの欠陥を修正するプログラムの適用 | 家の壁のひび割れの修理 | 欠陥を放置すると悪意のあるプログラムが侵入する可能性が高まる |
電子メールの添付ファイルや怪しい場所に注意 | 知らない人からのプレゼント、怪しい場所 | 信頼できないファイルを開いたり、怪しいサイトにアクセスしない |
大切な情報のバックアップ | 貴重品の複製 | 情報が失われた場合に備えて、定期的にバックアップを作成 |
将来展望
計算機に悪さをする小さなプログラム、いわゆる「虫」のようなプログラムは、これからも姿を変え、より巧妙な方法で攻撃を仕掛けてくることが予想されます。まるで自ら考える力を持つ機械のように、あるいは特定の狙いを持つ攻撃のように、新しい脅威が現れることも心配されています。
だからこそ、私たちを守るための対策も進化させる必要があります。常に最新の危険情報を知り、適切な対策を行うことが大切です。例えば、家の鍵をこまめに変えるように、計算機の守りも最新の状態に保つ必要があります。また、見知らぬ人からの手紙を開けないように、怪しい電子手紙や情報には注意が必要です。
そして、私たち一人ひとりの意識を高めることも重要です。危険を理解し、正しい行動をとることで、「虫」のようなプログラムの蔓延を防ぐことができます。知らない情報に不用意に触れたり、怪しい指示に従ったりしないように気をつけましょう。家の戸締りをしっかりするように、計算機にも適切な防御を施す必要があります。
これから、より安全な情報網を築くためには、技術的な対策だけでなく、私たち一人ひとりの心がけも欠かせません。まるで街の安全を守るために、警察官だけでなく、地域住民の協力も必要なのと同じです。一人ひとりが注意深く、責任ある行動をとることで、より安全な情報社会を実現できるでしょう。
カテゴリ | 内容 |
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脅威 | – 巧妙化する悪質なプログラム – 自ら考えるかのような機械の出現 – 特定の狙いを持つ攻撃 |
対策 | – 最新の危険情報の入手と対策 – セキュリティソフトの更新 – 不審なメールや情報への注意 – 不安な情報への警戒 – 怪しい指示に従わない – 適切な防御策の実施 |
意識向上 | – 危険の理解と正しい行動 – 情報社会の安全への貢献 |