作業ディレクトリー:基礎知識
ITを学びたい
先生、『working directory』って、どういう意味ですか?
IT専門家
『working directory』は、『作業ディレクトリ』、つまり、今作業している場所のことだよ。コンピューターでファイルを開いたり保存したりするときに、基準となる場所だね。
ITを学びたい
基準となる場所…ですか? 例えばどういうことでしょうか?
IT専門家
例えば、今、書類が沢山入った棚の中から、企画書を探すとしよう。棚全体がパソコンでいう『記憶装置』だとすると、今君が探している『企画書』が入っている引き出しが『working directory』にあたるよ。つまり、その引き出しを基準にして書類を探すことになるよね?
working directoryとは。
『作業場所』もしくは『現在作業中の場所』と呼ばれる『カレントディレクトリー』という用語について説明します。
作業ディレクトリーとは
計算機を扱う上で、今自分がどの場所にいるのかを把握することはとても大切です。書類を探すとき、どの棚のどの引き出しを見れば良いのか分からなければ、目的の書類を見つけるのに時間がかかってしまいます。計算機の中の情報を探す場合も同様で、現在地が分からなければ、目的の資料を見つけるのは困難です。この現在地にあたるのが「作業場所」です。作業場所は、計算機内の情報の保管場所である「書類棚」の中で、現在作業を行っている「引き出し」のようなものです。
例えば、文章を作るための道具を使う場合を考えてみましょう。道具を使う指示を出すとき、どの「引き出し」にある道具を使うのかを具体的に指定しない限り、作業場所にある道具が使われます。もし、目的の道具が別の「引き出し」に入っている場合は、その「引き出し」まで取りに行く必要があります。あるいは、どの「引き出し」にある道具を使うのかを指示の中に含める必要があります。
作業場所を理解するメリットは、指示を簡略化できることにあります。作業場所にある道具を使う場合は、いちいち場所を指定する必要がありません。これは、計算機を扱う上での手間を省き、作業を効率化することに繋がります。また、複数の作業を同時に行う場合、それぞれの作業場所を適切に設定することで、混乱を防ぐことができます。複数の書類棚を同時に開いて作業をする際に、それぞれの書類棚でどの引き出しを開いているのかを把握しておくようなものです。
作業場所が分からなくなった場合は、専用の指示で確認することができます。自分がどの「引き出し」を開いているのか分からなくなったら、周りの人に聞くように、計算機に尋ねれば教えてくれます。また、作業場所を別の「引き出し」に移動することも可能です。別の棚の引き出しに移動することもできます。作業内容に応じて適切な作業場所を設定することで、計算機をよりスムーズに、そして効率的に操作することができます。
作業場所の概念 | 説明 | メリット | 作業場所が不明な場合 |
---|---|---|---|
書類棚の引き出し | 計算機内の情報の保管場所(書類棚)の中で、現在作業を行っている場所(引き出し) | 指示の簡略化、作業の効率化、複数の作業時の混乱防止 | 専用の指示で確認可能、別の場所への移動も可能 |
作業ディレクトリーの確認方法
作業場所を確かめる方法は、パソコンの種類によって違います。普段パソコンで使っている場所を「作業ディレクトリ」と呼びますが、この作業ディレクトリを確かめるには、パソコンの種類に合わせた方法を使う必要があります。
窓の絵が描かれたパソコン、つまり「ウィンドウズ」では、「コマンドプロンプト」と呼ばれる黒い画面を使います。この画面を開いて、「シーディー」と入力し、「エンターキー」を押すと、今いる作業場所が表示されます。同じウィンドウズでも「パワーシェル」という青い画面を使う場合は、「ピーダブリューディー」と入力し、「エンターキー」を押します。
一方、りんごの絵が描かれたパソコン、つまり「マックオーエス」や「リナックス」など、同じ仲間である「ユニックス系」と呼ばれるパソコンでは、「ターミナル」と呼ばれる黒い画面を使います。この画面を開いて、「ピーダブリューディー」と入力し、「エンターキー」を押すと、現在の作業場所が表示されます。
これらのパソコンでの作業場所確認方法はとても簡単です。いつでも、どこでも、今自分がパソコンのどの場所で作業しているのかをすぐに確かめることができます。例えるなら、常に現在地の地図を持っているようなものです。パソコンのファイルや資料の整理をしている時に、自分がどこにいるのか分からなくなってしまった時でも、すぐにこれらの方法で自分の場所を確認することができます。これらのコマンドは、まるでパソコンの中の世界を旅する時の羅針盤のような役割を果たしてくれるでしょう。
OS | ツール | コマンド |
---|---|---|
Windows | コマンドプロンプト | cd |
Windows | PowerShell | pwd |
macOS/Linux/Unix系 | ターミナル | pwd |
作業ディレクトリーの変更方法
コンピューターの中の書類整理、思い通りにできていますか?ファイルを探したり、プログラムを実行したりする際に、「作業場所」となる「作業登録場所」を理解することはとても重要です。この「作業登録場所」のことを「作業案内場所」と呼びますが、これを変更する方法を説明します。「案内変更」という指示を出すための言葉、「案内変更指示語」を使います。
多くの整理棚システム、例えば窓飾り、林檎印、出汁巻き卵など、様々な整理棚システムで共通して使える「案内変更指示語」は「登録場所変更」です。この「登録場所変更」の後に行きたい「案内場所」の道順を伝えることで、「作業案内場所」を変更できます。道順の伝え方には、大きく分けて二つの方法があります。一つは「今の場所からの道順」、もう一つは「一番最初の場所からの道順」です。
「今の場所からの道順」は、現在いる「作業案内場所」を基準にした道順です。例えば、机の上にある書類箱の中に「企画書」という書類があるとします。今、机の上を「作業案内場所」としている場合、「企画書」への「今の場所からの道順」は「書類箱の中」となります。
もう一つの「一番最初の場所からの道順」は、整理棚システムの一番根元からの完全な道順です。例えば、家の住所を伝えるように、整理棚システムの住所を伝えるイメージです。先ほどの「企画書」の場合、「一番最初の場所からの道順」は「机/書類箱の中/企画書」のようになります。
例えば、一つ上の階層、つまり一つ上の登録場所に戻りたい場合は、「登録場所変更」の後に「上へ」と指示を出します。まるで家の廊下を移動するように、「登録場所変更」指示語を使って整理棚システムの中を自由に移動できます。これにより、目的の場所に素早くアクセスし、作業効率を上げることができます。
用語 | 説明 | 例 |
---|---|---|
作業登録場所/作業案内場所 | コンピューターのファイルやプログラムを実行する際の作業場所。 | |
案内変更指示語 | 作業登録場所を変更するための指示。 | 登録場所変更 |
今の場所からの道順 | 現在の作業案内場所からの相対的な道順。 | 書類箱の中 |
一番最初の場所からの道順 | 整理棚システムの根元からの絶対的な道順。 | 机/書類箱の中/企画書 |
上へ | 一つ上の階層(登録場所)に戻るための指示。 |
作業ディレクトリーの重要性
命令を端末に入力して計算機を使う際に、今いる場所を認識することはとても大切です。この場所は「作業場所」と呼ばれ、多くの命令はこの場所を基準に動きます。
例えば、ある資料を開きたいとします。資料の名前だけを指定した場合、計算機はまず今いる「作業場所」を探します。「作業場所」に目的の資料があれば開けますが、なければ「見つかりません」と表示されます。もし「作業場所」が間違っていたら、意図しない資料を開いてしまうかもしれません。これはまるで、広い図書館で本の名前だけを言って探すようなものです。どの棚にいるのかを知らせないと、司書さんは困ってしまいますよね。
「作業場所」は、計算機に命令をまとめて書いたもの(プログラム)を動かす際にも重要です。プログラムが資料を使う時、その資料への行き方を「作業場所」からの道順で示すことがあります。この道順は「作業場所」が変わらない限り有効ですが、「作業場所」が変わると資料に辿り着けなくなる可能性があります。例えば、プログラムが「机の上の書類」を使うように指示していたとします。もし「作業場所」が部屋全体であれば、机の上の書類はすぐに見つかります。しかし、「作業場所」が隣の部屋だったら、プログラムは書類を見つけられません。
このように、「作業場所」は計算機を使う上で基本となる重要な概念です。適切な「作業場所」を設定することで、目的の資料をスムーズに開いたり、プログラムを正しく動作させたりすることができます。「作業場所」を意識して操作することで、計算機をより正しく、そして効率的に使うことができます。
状況 | 作業場所の重要性 | 例 |
---|---|---|
ファイルを開く | ファイル名だけでは、作業場所にあるファイルを検索するため、作業場所が異なると目的のファイルを開けない。 | 図書館で本の名前だけで探す場合、どの棚にいるのかを伝えないと司書は困る。 |
プログラムの実行 | プログラムがファイルを扱う際、作業場所からの相対パスで指定することがあるため、作業場所が変わるとファイルにアクセスできなくなる。 | プログラムが「机の上の書類」を使う場合、作業場所が部屋なら見つけられるが、隣の部屋だと見つけられない。 |
作業ディレクトリーと相対パス
プログラムを作る際、ファイルの置き場所を扱うことはとても大切です。この置き場所を扱う方法の一つに「相対パス」というものがあります。相対パスは、現在作業している場所から見て、目的のファイルがどこにあるかを表す方法です。まるで宝探しゲームの地図のように、現在地からの道筋を示すことで目的のファイルを見つけ出します。
たとえば、今いる場所を「作業場」としましょう。この作業場には色々な道具や材料、設計図などが置いてあります。設計図の一つ「設計図A」を見たいと思ったら、「./設計図A」と書くことで、今いる作業場にある「設計図A」を見つけることができます。ここで使われている「./」は「今いる場所」を表す記号です。
次に、作業場の中に「道具箱」という箱があるとします。この道具箱の中に「道具B」が入っているとします。この「道具B」を取り出すには、「./道具箱/道具B」と書きます。これは、今いる場所(作業場)から「道具箱」に入り、「道具B」を取り出す経路を表しています。
また、作業場から出て、一つ上の階層にある倉庫に行きたい場合は、「../倉庫」と書きます。ここで使われている「../」は「一つ上の階層」を表す記号です。この倉庫の中に「材料C」があるとすると、「../倉庫/材料C」でその材料の場所を特定できます。
この作業場が「作業ディレクトリー」です。プログラムを実行する際、この作業ディレクトリーが基準点となります。相対パスは、この基準点から目的のファイルへの道筋を示すものなので、作業ディレクトリーが変われば、同じ相対パスでも指し示すファイルが変わってしまうのです。
たとえば、作業場で作った道具の使い方を説明したメモを、倉庫に持って行って使おうとしたとします。メモの中に「./設計図A」と書いてあった場合、作業場では「作業場にある設計図A」を指しますが、倉庫では「倉庫にある設計図A」を指してしまいます。作業場には設計図Aがあっても、倉庫にはないかもしれません。そのため、プログラムが正しく動くように、作業ディレクトリーを適切に設定することが重要です。
パス | 意味 | 例 | 作業ディレクトリ |
---|---|---|---|
./ |
現在のディレクトリ | ./設計図A (作業ディレクトリにある設計図A) |
作業場 |
./〇〇/△△ |
現在のディレクトリの中の〇〇ディレクトリの中の△△ | ./道具箱/道具B (作業ディレクトリの中の道具箱の中の道具B) |
|
../ |
一つ上の階層のディレクトリ | ../倉庫 (作業ディレクトリの一つ上の階層にある倉庫) |
|
../〇〇/△△ |
一つ上の階層の〇〇ディレクトリの中の△△ | ../倉庫/材料C (作業ディレクトリの一つ上の階層の倉庫の中の材料C) |
重要な点
- 相対パスは、作業ディレクトリからの相対的な位置を表す。
- 作業ディレクトリが異なると、同じ相対パスでも指すファイルが変わる。
- プログラムが正しく動作するためには、作業ディレクトリを適切に設定する必要がある。
まとめ
計算機を使う上で、今自分がどの場所に立っているのかを示すのが「作業場所」という考え方です。これは家の間取りを知るようなもので、どの部屋にいるのか分かれば、目的の物もすぐに見つかります。計算機の中にもたくさんの部屋(場所)があり、それぞれに書類や道具がしまわれています。この「作業場所」をきちんと把握していないと、目的の書類を探すのに時間がかかったり、間違った場所に書類を作ってしまったり、時には思わぬ場所に重要な書類を上書きしてしまう危険もあります。
「作業場所」は様々な操作の基準点となります。例えば、命令を実行する際、計算機はまず「作業場所」にある道具を探します。また、書類を開いたり保存したりする際も、「作業場所」を基準に探します。もし「作業場所」が適切な場所でなければ、目的の書類にたどり着くまで、一つ一つ部屋を移動しなければなりません。
この「作業場所」は確認したり変更したりできます。確認方法は計算機の種類によって違いますが、多くの場合、簡単な命令で「作業場所」の表示ができます。変更も同様に簡単な命令で行えます。「作業場所」を変更することで、目的の場所に素早く移動し、作業を効率化できます。例えば、写真整理をする際に、写真の保管場所を作業場所に設定すれば、いちいち長い道のりを指定する必要がなくなります。
「作業場所」を理解し、適切に設定することは、計算機を上手に使いこなす上でとても重要です。まるで家の間取りを把握しているかのように、書類の整理場所と「作業場所」の関係を理解することで、書類の操作ミスを減らし、作業をより円滑に進めることができます。また、危険な命令を実行する際にも、「作業場所」を意識することで、大切な書類を誤って消してしまうリスクを減らせます。常に「作業場所」を確認し、必要に応じて変更する習慣を身につけることで、計算機をより安全に、そして効率的に操作できるようになります。
作業場所の概念 | 作業場所の役割 | 作業場所の操作 | 作業場所の重要性 |
---|---|---|---|
計算機における現在の位置を示す概念。 家の間取りに例えられ、どの部屋(場所)にいるのかを示す。 |
様々な操作の基準点となる。 命令実行、ファイルの開閉保存などで、作業場所を基準にファイルを探す。 |
確認と変更が可能。 計算機の種類によって異なるが、簡単な命令で確認・変更できる。 |
計算機を上手に使いこなす上で重要。 ファイル操作ミスを減らし、作業を円滑に進める。危険な操作のリスク軽減にも繋がる。 |